2016年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 355】 by 岡村恭子
VOL.355 秋の夜の陰影礼賛。
夜店の楽しみ TIVOLIの楽しみ !
torsdag den. 15 september 2016
このページが更新される金曜日はオープンステッチハウスの最終日。
今回もたくさんのお客さまでさぞかし賑やかで楽しい刺繍三昧の
4日間だったことでしょう。ワークショップや来場して下さった
お客様の様子など、今から延江さんのブログ更新を楽しみに
したいと思います。
コペンハーゲンは気持ちの良い秋晴れの日が続いています。
天気図を見ると、地中海の方からグーンと張り出した高気圧に
すっぽり覆われて、北極海からの冷たい空気を押しのけてくれています。
高気圧さん、なるべく長く踏ん張って!と願いつつ、束の間の
“暖かい幸せ “ を満喫しています。こんな素敵なお天気は一年に
何日も無いのだからのんびりと日光浴をしていれば良いものを、
こういう時こそ!と、私はペンキと刷毛を手にして張り切ってしまう。
今やほとんど趣味の世界です。
今回は裏庭に面したキッチンや家人と私の仕事部屋などの窓枠の手入れです。
窓を開け放ってペーパーをかけ、汚れを取り、きれいにしてから
ペンキ塗り&オイル仕上げ。下仕事は結構大変ですが、お料理と一緒で
材料さえ整っていれば案外簡単だし楽しいものです。
無心になって身体を動かしていると忽ち時間は過ぎて行きます。
夕食後、裏庭に出て本日の仕上がりを眺めて大満足、
見上げる夜空にはまん丸お月さまです。
中秋の名月です。
古(いにしえ)の人はこの月明かりをどんなにか美しく感じた事でしょう。
静かに照らす月光は幻想的で物語的な想像をかき立てられます。
そして、また『お月さま』は幼い頃の思い出にも繋がります。
クレーターが “ウサギの餅つき “ に見えたあの頃、夜店で買ってもらった
綿飴を持っての帰り道、私をお月様が優しく照らしていたような気がしますが、
実際はどうだったのでしょう。思い出は膨らむものですね。
そんな懐かしい情景がTIVOLIに行くと今も健在です。
ルーレットにボール投げ、アヒル釣りに射的ゲーム…少々レトロな夜店的
お楽しみがいっぱいです。路地裏のような細い通りに軒を連ねたお店が
夕暮れとともに明るく浮き上がり、人だかりが絶えません。
咲き乱れる花と工夫を凝らした照明で美しく演出された園内で
ひと昔前に戻ったような懐かしいアイテムが、まるでおもちゃ箱を
ひっくり返したかのように、賑やかに、楽しげに点在している。
全ての人が楽しめる憩いの公園という創設者のモットーを今も受け継いで
保存と進化を積み重ねて、 いつ行っても古いのに新しい。
いやー、TIVOLIの魅力は実に奥が深いです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
暮れとともに照明が灯されると、幻想的な雰囲気が広がります。
TIVOLIの夜店的なアイテムから『アヒル釣り』『チョコレートルーレット』
そして、『ギャロップ』に大人も夢中!
TIVOLIに行ったら必ず立ち寄るコンデットリーのケーキと名物アイスクリーム。