2017年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 407】 by 岡村恭子
VOL.407 中秋の名月の頃 : 窓辺の灯り、月明かり
torsdag den. 5 oktober 2017
一雨ごとに秋も深まって、室内の照明が暖かく感じられるように
なってきました。
昨日のこと、
出張でコペンハーゲンを訪れた某氏が笑いながら言いました。
「デンマークの人は夜もカーテンをしないんですね。
通りから室内が丸見えでした。」
確かに、デンマークの人はカーテンをしない… というよりも
T.P.O.で使い分けているという方が正しいかもしれません。
とにかく、夜になったからと言ってカーテンで閉め切ってしまうと
いうことはありません。たとえ見られてもあまり気にしないし、
それに じっくりと覗き込まない限り、中の様子までは案外見えないものです。
それよりも“ 外からどう見えるかな? “ と考えながら窓辺をディスプレイ
して楽しむ。住人のセンスがそんな所でも発揮されるのです。
住宅以外にも、例えば、夜更けに大通りの商店街を歩くと、
閉店時間なのにショーウィンドウは煌々と照明されていて明るい!
これは防犯対策です。最初見た時にはなんと不経済な!と思いましたが、
考えればとても理に叶っている。現在では全てLEDで省エネだし、
おかげで夜中も大通りは明るく安全。まさに一石二鳥です。
さて、カーテンの話題ついでに我が家のカーテンは、というと、
なんと全室ぜーんぶ私が縫いました。よく見ると “手作り感 “ 満載です。
この不器用な私が!と我ながら感心してしまうのですが、
この家に引っ越してきたばかりの頃は無我夢中で、
IKEAで大量のカーテン生地を買い込み、来る日も来る日もカーテン作りでした。
そんな遥か昔の手作りカーテンが今も健在です。長持ちの秘訣は簡単、
西陽が眩しい時に引く以外、ほとんど使わないからです。
四季を通じてなるべく陽光を取り込み、室内から窓越しの庭を楽しむこと、
これも長年の北欧暮らしで学んだ日々の楽しみ方の一つです。
秋の夜長、
尽きない話を惜しみつつ某氏を見送りながら、見上げた夜空に朧月です。
そう言えば、10月4日は十五夜でした。
コペンハーゲンはあいにくの雨降りでお月様は見えなかったけれど、
十五夜など知らないデンマークの天気予報士が
6日の金曜日が満月だと伝えていました。
てっきり十五夜が満月だと思っていたけれど、どうやらそうとも限らないらしい。
というわけで、今夜お月見をしたいと思います。
お月様がらみでもう一つミニトピック。
毎年秋に見られると勝手に思い込んでいたスーパームーンですが、
残念ながら年内に周期は巡って来ず、次回は年が改まった
2018年の元旦だそうです。
2018年は初日の出とスーパームーンの2大競演で幕が開く。
晴れがましいと照れてしまって、文字通りお月様が雲隠れしませんように。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ススキの穂が風に揺れ、レンガのツタも色づいて、街も野原も秋の装いです。
隣家の庭越しに望むお月様、この夜は丁度ハーフムーン。
夜の庭から眺めた我が家の窓辺。手作りカーテンも遠目には良い感じです。