2017年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 412】 by 岡村恭子
VOL.412 デニッシュチャームなクリスマスシーズン⭐
torsdag den. 30 november 2017
今年のカレンダーも最終ページとなりました。
これから24日のクライマックスに向かい職場や学校で、そして
もちろん家族揃って、思い思いのクリスマスイベントが繰り広げられ、
暖かく華やいだ雰囲気に包まれてゆきます。
ずっと欲しかった、でも買ってもらえなかった玩具。サンタさんに
お願いしたけどちゃんと届けてくれるかなあ?…、ドキドキしながら
クリスマスを迎える子供達…、というのは残念ながら物語の世界だけ。
今や小学生でさえスマートフォンや最新のPCソフトが “ 欲しいものランキング “
の上位を占めるという時代です。現実的で夢がないなあ、と嘆きながら、
それでも、やはり北欧の人々にとってクリスマスは一年を締めくくる
一大イベントです。
12月のカレンダーは瞬く間に予定で埋まり、慌ただしいうちに冬至が過ぎ、
真っ暗な闇にキャンドルやクリスマスイルミネーションが宝石のように輝く。
それはもしかしたら明るい季節を待ち焦がれる人々のラブコールなの
かもしれません。
今頃になるとお花屋さんはもちろん、スーパーマーケットの店先にも
様々なクリスマス用の生花が並びます。買い物ついでにリースを買って帰る。
ちょうど正月用の松飾りのような感じです。
デコレーション用の松ぼっくりや緑色の苔、魔法の杖と呼ばれる柳の小枝や
赤い実のついた柊などが束ねられて山積みされています。
街角に店開きしたツリー屋さんで品定めしながらモミの木のグリーンノート
に包まれれば、お手軽な即席森林浴気分です。
デンマークの人はクリスマスに限らず、季節を通じて緑を室内に取り入れて
楽しみます。大型店の進出で個人商店が姿を消して行く中で、お花屋さんと
パン屋さんは健在です。それどころかここ数年、人気店が増えている様子です。
焼きたてパン大好き!&たとえ一本でも花のある暮らしをしたい!そんな、
ライフスタイルが垣間見えるようです。
時々耳にする “ デニッシュチャーム “ という言葉のイメージも、
そんな日常に見え隠れしているような気がします。
家々の窓辺にクリスマスオーナメントが揺れ、
街角のコンデットリーから甘い焼き菓子の匂いが流れて来る頃、
早くも闇に包まれた広場のツリー屋さんに親子のシルエットが浮かぶ。
クリスマスシーズンは、そんな hyggeligで “ デニッシュチャーム “ な
光景があちこちで繰り広げられるのです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街角スナップより
コペンハーゲン中央駅のツリー、目抜き通りにはクリスマスのシンボルの
赤いハート、そして、早くも店開きしたツリー屋さんなど。
球根付きのヒヤシンスを庭の苔やツタで簡単アレンジ。