2018年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 438】 by 岡村恭子
VOL.438 夏の夜空を見上げて : お月さまと “ はやぶさ2 “
friday den. 29 juni 2018
夏至も過ぎて、学生達は卒業シーズンクライマックスを迎えています。
それが終わると全国的に長い夏休みに入りますが、
今年はお天気に恵まれているので、国内のテーマパークなど
手近なスポットが人気だそうです。
窓を開け放していると、どこからともなく低い音色が流れて来ました。
そう言えばもうすぐ恒例のジャズフェスティバルです。
いつも今頃になるとどこか近所で練習しているのか?セッションしている
のが聞こえて来る。どこだろうねえ?… あたりを何気なく探してみたけれど、
音はすれども姿は見えません。
今日も爽やかな夏の風に乗って聞こえてくる “ 祭り囃子 “ ならぬ
“ ジャジーなリズム “ 季節を感じる音色はいいものです。
夕食後、庭に出たらとても明るい。
見上げた夜空にまん丸お月さまです。
庭の梢越しに少しずつ動いているのがわかります。
透明な群青色の夜空に白く輝く月の光は清楚で美しく、
どんなに宇宙開発が進み、月の表面の凸凹が大写しになろうとも、
やっぱり、物語の世界のかぐや姫は今もいる!と思えて来ます。
一方、4年前に打ち上げられた宇宙探査機 “はやぶさ2 “ が、
長旅の末、無事に小惑星リュウグウの20㎞まで到着したという
ニュースを聞くと、一人旅をしていた子供が迷子にならずに
目的地にたどり着いたようで、エライね!と褒めてあげたくなります。
広大な宇宙の、地球から3億kmも離れた所に浮かんでいる、
直径1㎞にも満たない“ 惑星 “ と呼ぶには小さすぎる惑星 “ リュウグウ “ 。
“ はやぶさ2 “ はその “ちっぽけな豆粒 “ のような星を目指し、
四年という歳月をかけて無事にたどり着けた。それだけでも
信じられないくらい素晴らしいのに、これからが実力発揮だそうです。
146億年前の太陽系宇宙誕生の鍵を握る物質を地球に持ち帰ってくるという、
すごいミッションを実行するというのです。
3億㎞とか146億年という天文学的数値と、直径900mという日常的数値が
同居していて、理数系に疎い私は混乱しますが、とにかく、はやぶさ2は
これからが正念場、ミッションを果たして2年後の2020年秋、
東京オリンピックが幕を閉じた後に地球に帰還する計画だそうです。
こうして考えると、人類の営みも無限の宇宙のシステムの中に組み込まれた
一部なのだと思えて来て、日常の些細なことなど忘れ広々とした気分
になれます。そして、こういう時に思い浮かぶ大好きな言葉。。。
『好きなもの、イチゴ 珈琲 花 美人 懐手して宇宙見物』
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/318.html
明治の人を見習い、懐手などして、そうして夜空を仰ぎ、
はやぶさ2に想いを馳せるのも楽しいかもしれません。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
全て夏至祭のスナップから
人々は思い思いの場所で、一年で一番明るい一日を過ごします。
昼間のように明るいけれど、すでにPM7:00です。
今年は異常乾燥で恒例の焚き火は中止、水上に焚き火っぽいインスタレーション。
のんびりと明るい夜を楽しみ、日没の頃になると夏至の歌を合唱します。
街路樹の木陰でオーケストラが演奏する通りでは、
親しい人同士が食事をしたり乾杯したり…
少しずつ暮れてゆく夜を慈しむように人々が戸外で憩います。