2018年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 426】 by 岡村恭子
VOL.426 心配なのは桜の老木、でもその前に
大好きなフリーマーケット探索です。
torsdag den. 5 april 2018
暖かくなったと思ったら翌日は霙まじりの雨だったり、
不安定なお天気ですが、それでも日照時間が驚くほど長くなってきました。
少しずつ庭仕事も始めています。まずは冬の間に堆積した落ち葉や
枯れ枝の掃除、花壇を掃除した後には薔薇の根元に肥料を撒いてひと段落、
家人と一休みしながら老いた桜の木を眺めます。
2本に分かれた太い幹の片方が苔とキノコで覆われて可哀相なことになっている。
たまたま日本の桜便りのニュースで、人々に愛されてきた桜の木が
樹齢70年を超えて老化著しく伐採することになった、という、
その桜の木々がまさに我が家の老桜と同じ状態だったのです。
ああ、やっぱり。。。実は数年前にコペンハーゲンの植物園に写真持参で
相談に行った時、たった一言老化現象です.。と言われて、その時は
なんと無慈悲な、と思いましたが、実際そういうことなんだ、と
今回のニュースを見て納得しました。
植物も生き物なのだという当たり前のことを痛感しています。
桜以外にも今年は暖冬の後に襲来した大寒波で、庭の植物たちは悩んでいる様子。
去年秋に植え込んでおいたチューリップの球根も葉を出したり引っ込めたり
していたのか?変にねじれていたりして苦しんだ後が伺えます。
老齢化の進む我が家の桜と天候不順で調子狂わせている春の草花たちに
私はリハビリ先生の気分よろしく、手入れをしながら心の中で
声をかけて励ましています。
そんな合間にも私のお楽しみフリーマーケット探索のスタートです。
ミゾレ混じりの寒い一日、こんな日は庭仕事もできないというのを
口実に行ってきました。北欧一のスケールを誇るインドアフリーマーケット!
二日間だけということも手伝って、この日を楽しみにしていた人人人で
会場は外の寒さが嘘のような熱気に包まれています。
テレビのお宝拝見番組に登場するタレント的な骨董屋さんも店を出し、
結構な人だかりですが、私はそういうお店は素通りして、もっぱら
小さなアイテムを探して歩きます。そうして見つけたのが会場の隅っこで
お店番していたおばあちゃんのスタンドで手にしたガラスの小鳥。
少し重みのする小鳥は背中に丸く凹みがあって、例えばテーブルソルトを
入れたり、キャンドルを入れて灯すのも良さそうです。
他にも細々と気づけばトートバックはいっぱいになっていました。
ああ、楽しかったー… 大満足で会場の外にでると、
おお、寒い!霙が雪に変わって庭はまたしても真っ白になっていました。
春よこい!早く来い!という今日この頃です。
そうこうしている内に
オープンステッチハウス+までカウントダウン!となりました。
エヴァ先生たちも皆さまとの教室を楽しみにされていることでしょう。
刺繍のミニショップでは延江さんとのおしゃべりも楽しみですね!
今回も楽しいイベントとなりますように。。。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
全てフリーマーケットの会場風景より。
大型スーツケースを引きずって買うき満々の人もたくさん見かけました。
刺繍グッズも数多く出品されていました。
フリーマーケットは思いがけない モノとの出会いが魅力です。
ガラスの小鳥は窓辺におきました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 427】 by 岡村恭子
VOL.427 春の仕事始め : まずは庭と浴室から。
torsdag den. 12 april 2018
いよいよ、15日の日曜日からのワークショップを皮切りに
北欧刺繍と手芸三昧の二週間の始まり!始まりー!
準備で忙しくしている延江さんの張り切っている様子が目に
浮かぶようです。
2年前の春にイベント会場にお邪魔した時を思い出します。
(その時の様子はこちらをお読みください。)
→ https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1401.html
残念ながら今回は延江さんをビックリさせに行けないけれど、
きっと、あの時同様、賑やかな毎日になることでしょう。
コペンハーゲンも日増しに暖かくなって来ました。
バラの剪定をしたり、ラベンダーを短く切りそろえたり、
早くも顔を出し始めた雑草を抜いたり、と、一日中庭を
あちらからこちらへ動き回っています。
北欧の春は、まだかな?まぁ~だかなあ?…と首を長くして待って、
散々焦らされて、シビレを切らしたそんなある日、急に冬の
コートが重たく感じた途端に春の幕が開く。
毎年の事ながらその度に嬉しいよりも「本当に?」と半信半疑。
どうやら今度は本当らしい、と分かれば話は早いのです。
腕まくりして春の庭仕事にエンジンをかけます。
そんな時に心の中で口ずさむのが、かの有名なビバルディーの
「四季 “ 春の章 “」♩タン・タン・タン・タララー♩という
メロディーに合わせて、バラの枝をチョキン!…
実に庭仕事がはかどる名曲です。
庭仕事ともう一つ、頑張っているのが浴室のペンキ塗りです。
築80年の住宅のメンテナンスはエンドレスで、次々と問題箇所が
出てくるのですが、今回は浴室の天窓の取り替え工事です。
職人さんの都合で丁度先月、私たちが家を留守にしていた間に
工事が行われることになり、エリック(家人の仕事のパートナー)に
現場監督を一任して、私たちは早春の日本を満喫。帰宅すると、
あら素敵!リモコン操作で開閉自由な天窓に大変身です。
窓の周辺もピカピカ!そうなると、急に壁や床が気になり出します。
こんな小さな工事でも周辺の木枠を剥がしたり壁を削ったりして
案外ダメージが生じるものです。そのくらいは自分たちでやるのが
デンマークです。家人と二人、明るい日差しの差し込む天窓を
見上げながら作業に励んでいます。
春の到来と共にバタバタと忙しい今日この頃です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
2016年春の「オープンステッチハウス+」の風景から。
庭は小さな春の花盛り。ガラスの小鳥に活けてキッチンのテーブルに。
リビングにも春の日差しが差し込んで赤クルなって来ました
浴室の天窓です。とても高いところにあります。
周辺が真っ暗に見えますが、実際は真っ白です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 428】 by 岡村恭子
VOL.428 明るい季節になりました。
みんなお陽さまと仲良しです。
torsdag den. 19 april 2018
今回のオープンステッチハウスも瞬く間に前半のワークショップが
終了、引き続き作品展とミニショップでも沢山のお客様をお迎えして、
賑やかに盛り上がっていることと思います。
そんな “ 朗らかなオーラ “ がコペンハーゲンにも届いたのかしら?と
思うくらいにパーっと明るい初夏の陽気となりました。
抜けるような青空、そよ吹く春風…。
早朝から小鳥がさえずり、今までジッと我慢していた草花たちも一斉に
背伸びを始め、枯れ色だった庭木や垣根が見る見る内に新緑の衣を
まとい始めました。
これから夏に向かって人間も動物たちもみんながソワソワワクワク。
兎にも角にもお陽さまと仲良くしていたい!という気分になります。
今まで一体どこにいたのだろう?と思うくらい人々が戸外で憩います。
冬の間静まり返っていた裏の小道に学校帰りの子供達がボール遊びを
する声が響きます。
私達も早速庭先に椅子テーブルと出しました。
考えることはみんな一緒で、ご近所さん達も庭で忙しくしている気配です。
垣根越しに隣家と挨拶をかわします。「良いお天気ですね!」「本当に!」
奥さんが笑いながら洗濯物を裏庭に大きく広げます。シャボンの良い香りが
して来ました。そうだ!私も今日は裏庭に洗濯物を干そう!
ことほど左様に(毎年のことながら)明るい季節到来は北欧の人々にとって
大きな喜びです。
これから夏至までが一年中で一番輝く季節ですが、とにかくお天気次第で、
一度雨降りになってしまえば冷え冷えとしてしまう。だからこそ、
晴れた日は日光を全身に浴びていたい!
長く暗かった冬へのリベンジ!という気分です。
お天気に誘われたのか?運転嫌いの家人が珍しくドライブする気に
なってくれました。向かったのは、その昔オランダ人が移住してできた
海辺の町Dragørです。
小さな港町には小さい可愛らしいレンガの家々が並び、手入れの行き届いた庭が
通りかかりの人の目を楽しませてくれます。
メインストリートのブティックもスーパーマーケットもミニサイズ。
街全体が保存地区になっています。
夏には海峡の向こうからスウェーデン観光客がたくさん来ますが、
今は地元の人が明るい日差しの中で憩っているだけ。
の~んびり、ゆったりとした時間が流れてゆきます。
帰りは森の中を通り抜けましたが、まだ白樺の新芽は出ていなくて
桜の開花もまだまだの様子です。でももしかしたらこの暖かい陽気で
つぼみが一気に膨らみ始めるかもしれません。
今月末のコペンハーゲン桜フェスティバルもお天気なるといいなあ…。
そんなことを思う春たけなわのコペンハーゲンです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
写真は全て Dragørより。
抜けるような青空に溶け込む水面。
まるで一幅の絵画のようです。
櫓の上の小さな小屋は見張り台。
明るい陽光の下で思い思いに憩う人々。
Nu er det IS tiden!!(アイスクリームの季節がやって来た!)
というのが今頃の合言葉です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 429】 by 岡村恭子
VOL.429 デンマーク政府VS労組のベースアップ闘争。
軍配はどちらに??
torsdag den. 26 april 2018
今回の “ オープンステッチハウス+ “ も好評のうちに無事終了。
延江さんはじめイベントに関わったみなさまお疲れさまでした!
既に次回の開催を楽しみにしている方もたくさんいらっしゃること
でしょう。“ オープンステッチハウス+ “ がご縁でお友達の輪が
ますます広がったら素敵ですね。
前回のこのページでは初夏の陽気を喜んでいたというのに、
それも束の間、案の定?!瞬く間にいつもの気まぐれ天気に
戻ってしまいました。やっぱりそんなに甘くはないわよね。
わかっていたけれど…と、ため息混じりで、
あの日あの時、ひたすら日光浴を楽しんでいた人々の気持ちが
よーくわかるというものです。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1920.html
日本のGWに負けず?デンマークもこの週末は3連休です。
5月1日のメーデーはたくさんの人が集いお祭りのようになります。
毎年結構賑わうのですが、今年は例年以上に盛り上がりそうな気配です。
というのも、去年末から何と5ヶ月間に渡り、教職員組合や
医師看護師組合を中心にした大手労組がタグを組んで、
政府に対して労働時間短縮とベースアップを要求、賛同した参加者が
過去最高の規模にまで膨れ上がったのです。
このまま話し合いが決裂すれば過去最大規模のゼネラルストライキ?!
いやその前に雇い側がロックアウト?!!とメディアが煽り、
とにかく連日大騒ぎの末に、メーデーを目前にした本日、公務員給与の
8、1%のベースアップが決定して、たちまち和解成立です。
デンマークの公務員は人数も多ければ給与も世界最高レベルです。
一方、平均所得税率がおよそ42%、加えて消費税25%という
高税率のお国柄です。当然ながら公務員給与は税金から
分配するわけです。国民から得た税収をいかに上手く循環させるか?が
政府の腕の見せ所で、今回のベースアップも政府側が次年度の税収から
割り当て分を捻出できたということで、当事者以外の国民も概ね納得、
まずは一件落着です。
この国で暮らしていると『サービスを受ける権利』という言葉を耳にします。
納税の見返りに自分はどういうサービスを受けたいか?受けられるのか?
当然の権利として皆がそれぞれの立場で主張します。
国会の予算審議に対して国民の関心や要望も強く高く、
例えば、次年度の義務教育予算が削られると知るや、中高校生が集会を行い、
国会周辺をデモ行進を行います。生徒が国会議員を相手に意見を述べます。
そいう様子を見るにつけ、若い頃から個人の考えをしっかり持って、
主張すべきは主張する、そんな環境が整っているデンマークを羨ましく
思ったりしています
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
真冬にも花をつけます。
名前が “ Japansk kirsebær “ = 日本桜 というのも嬉しいな。
咲き始めた春の花に突然大粒の雹(ヒョウ)が!!気まぐれお天気に一喜一憂です。
通りかかりに見かけた労働組合の集会風景
【きょうのクロスステッチ Vol. 430】 by 岡村恭子
VOL.430 日本とデンマークの友好のシンボル
桜フェスティバルより。
torsdag den. 3 maj 2018
瞬く間に新録の季節となりました。
庭は新緑のグラデーションに縁取られ、若草色、萌黄色、浅葱色…、
幾重にも重なった生まれたての緑色で埋め尽くされています。
でもそれもほんの束の間、 もう数日もすると若葉も大きくなって
その緑を濃くしてしまう。
日々成長する植物たちにハツラツとした生命力を感じながら
日よけの帽子を目深にして雑草取りに追われています。
日照時間も日増しに長くなって来ています。直射日光が眩しい!
そんな青空の広がった日曜日、庭仕事の手を休めて桜フェスティバルに
出かけました。今回は娘も合流してのお花見です。
今や桜の名所としても人気のスポットLangelinieまでは
ニューハウンの先端から海岸沿いに人魚の像までの約1km。
散策コースとしても人気です。芸術ホール、海浜公園の噴水、
噴水越しに王宮、対岸にはニューオペラハウスや新しい集合住宅群。
初夏を思わせる陽光の下で、のんびりと散歩する人もサイクリストも、
スケートボードの少年たちも、誰もが明るく輝いて見えます。
やがて遠目に薄桜色に染まった一帯が見えて来ました。
ちょうど満開!キレイキレイ、と言い合い、頷き合いながら行くと、
すでにたくさんの人で桜の木の下は膨れ上がるようです。
私たちも桜並木の斜面に沿って、 突然のお祭りに遭遇した気分で
人混みに吸い込まれてゆく感じも楽しい。
お弁当屋さんも出ていて海苔巻きや焼き鳥などを食べている。
やっぱり桜の下では和食系に人気があるようです。
お箸を上手に使いこなす子供の様子に、私がデンマークに来た頃には
考えられないほど、日本文化がデンマークの日常にも浸透している
ということを、こん所でも実感します。
回を重ねるごとに盛んになって来た桜フェスティバルですが、
実はこの桜、日本のアンデルセンベーカリーからの寄贈だということは
あまり知られていません。もうかれこれ20年くらい前になるでしょうか。
当初、他の候補地に植える計画だったのを途中変更して、現在の海浜公園に
植えることになったという経緯があります。
場所選びに妥協しなかった関係者の努力が実を結んで元気に育ち、
“ お花見 “ という日本の文化も一緒に根付いてくれました。
そういえば、
有名なポトマック河畔の桜も当時の人々の熱意と苦労の賜物というのを
ご存知でしたか?。
詳しくは きょうのクロスステッチVOL.383 をお読みください。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1686.html
友好と親善のシンボル : 桜がこうして世界各国に広がり、
やがて世界中の人が桜前線予報と開花宣言に一喜一憂する
日が来たら楽しいではありませんか?!
岡村 恭子
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桜フェスティバルより。お天気に恵まれてたくさんの人で賑わいました。
桜の木の下は満員御礼!
Langelinieの風景より。
ちょうど女王様のロイヤルシップが停泊していました。
芝生にブラックバード。今まさに新緑が美しい見飽きません。
桜はまだ5分咲きというところ。
【きょうのクロスステッチ Vol. 431】 by 岡村恭子
VOL.431 初夏の香りに包まれて
torsdag den. 10 maj 2018
ここ数日気温が急上昇20度以上になると、これもう北欧的には夏です!
今を逃してなるものか、とばかり街も人々も一気に夏姿になりました。
私も午前中の涼しいうちに庭の雑草取りに精出しています。
サラダにできそうなくらいスクスク育ったタンポポを(可哀想だけど)
エイっと根っこごと抜いたり、花の終わった水仙やクロッカスは
(球根をそのままに)そーっと葉っぱだけ抜き取り、肥料をパラパラと
撒きます。来年もよろしくね!と心の中で言いながら。。。
桜の花は散って花芯に小さな蕾のような丸いサクランボの赤ちゃんが
つきました。それを待っていたように今度はリンゴの花が満開です。
新緑の芝生に白いレース飾りのように爽やかなモチーフを描きます。
爽やかな5月の風に乗ってジャスミンの甘い香りが流れてきます。
土いじりの手を休め、刻一刻と変化し草花で美しく彩られた庭に佇んで
ちょっと幸せな気分。
そんな好天の午後、一日延ばしにしていたビザの書き換えに行く気になりました。
「行く気になった」なんて変な言い方だけれど、永住権はとっくの昔に取得して
いるので基本的には書き換えなくても問題は無いのです。
しかし、今から30年も前に発行してもらった滞在許可証(ビザ)には
本人とは思えない?! “ 若かった頃 “ の私の顔写真が微笑んでいます。
空港でビザを提示する度、本人と写真の人物を見比べては係りの人から
新しいのにすると良いかもしれないよ、とやんわり忠告を受けていたのです。
生涯有効とはいうものの、確かに歳をとるごとにますます写真との見分けが
難しくなって行くのは目に見えています。ダメ出しが出たら笑い話にもならない。
今なら間に合う、さっさと書き換えよう!
何度もぼやいているようにデンマークの、特にお役所関係の手続は
オンライン化が進んでいて、まずは自分のページに入り(マイナンバーで
ログインする)そこから自力で?始めなければなりません。
自宅で書類作成できるのは便利ですが、問題は細かい文章(デンマーク語、
または英語)の解読です。億劫になっていた理由もそこにあったのですが、
今回は何とか書き込み完了、早速手続きに出かけました。
ガラス張りの明るいオフィスは順番待ちの人でいっぱいです。
大型のTV画面からスカイニュースが流れ、キッズコーナーにはたくさんのおもちゃ、
そこここで談笑する人たち…、想像に反して寛いだ雰囲気が漂っています。
しばらくして、私の番になりました。
古い証明書、パスポート、作成した書類の3点を提出、
カウンター前の真っ白いパネル内蔵レンズで証明書用の写真撮影、
同パネルの画面で指紋とサイン。所要時間わずかの数分で完了です。
帰り際、記念にと、古い証明書に貼ってあった若かりし頃の証明写真を
ラミネード加工してくれました。なんという優しい心遣い!その代わりと
言ってはんだけど、新しいビザ発行まで4ヶ月かかるというのが これまた
いかにもデンマーク的。
次回の空港でどうなるか?お楽しみ、といったところです。
岡村 恭子
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思い思いに初夏の陽光を浴びて気持ち良さそう。
今日の庭から。
ブルーの小花 名前をKære minder mine søster : 懐かしい姉妹の思い出
真っ白いリンゴの花。清々しい初夏の装いです。 Langelinieの風景より。
【きょうのクロスステッチ Vol. 432】 by 岡村恭子
VOL.432 今日も快晴 記録的な皐月晴れの毎日です。
torsdag den. 17 maj 2018
夏至までひと月余りとなりました。
日に日に日照時間が長くなっています。朝は4時頃から夜は9時を
過ぎてもまだ明るい。ずっと晴れの日が続いているので明るさが
際立っています。気温も上昇、連日20℃を超えています。
こんなに暑い5月は129年ぶりとか…、そんなに古い記録が
残っているの?と突っ込みたくなりますが、
要するに気象庁始まって以来ということでしょう。
晴れてくれるのは嬉しいけれど、北欧は緯度が高いので
この時期、直射日光のパワーが半端じゃありません。
日焼けにはくれぐれもご用心!と自分に言い聞かせてはいるものの、
自転車に乗っているだけでも、ジリジリと音を立てて焦げるようです。
しかし、そんな心配するのはどうやら私だけ、デンマークの人は
やり過ぎなくらい真っ黒になるまで日焼けに勤しみます。
実に全くもって限度を知らない!と呆れ返ってしまいますが、これは
日光浴こそは健康の第一条件という北欧人ならではの思い込みと、
やがてやって来る “ 長くて暗い冬 “ を跳ね返す気分なのかもしれません。
家人と連れ立って夕食後の散歩をするのも今頃の楽しみの一つです。
pm9:00 緑の木立の向こうに淡いブルーにピンクからオレンジ色の
グラデーションに染まった夕空が広がっています。
今はライラックが花盛りで、むせかえるように甘い香りがそこここに
流れています。可愛いレンガの家の芝生に小さなデンマークの国旗が
並んでいるのを見かけました。その家の誰かさんがお誕生日という目印です。
この国では誕生日は大切なイベント、子供の成長を祝うのはもちろんですが、
大人になってからも、誕生日を迎える本人がケーキを焼いたりして、
親しい人たちと楽しい時間を過ごします。
そして、必ず歌うのがバースデーソングです。
国歌に次いで国民的な愛唱歌とも言える誕生日の歌があって、
合唱するとそれだけでお誕生日気分が盛り上がるという決定版です。
日本にもみんなが一緒に歌える “ オリジナルお誕生ソング “ の決定版、
是非作って欲しいなあ。。。
お誕生日といえば、5月26日はデンマーク王位継承プリンス
フレデリック殿下の50歳の誕生日です。
彼が若干19歳の時に初の公務としての海外訪問先が日本でした。
日本の丁重なおもてなしにきちんと対応できるのか?とデンマーク中が
ハラハラしていたある日、ニュースで大写しになったのは何と!靴下の穴。
「お茶席で靴を脱いだらソックスの踵に穴がポッカリ!
ああ、フレデリック、やってしまったね!」…と、自分達の子供が失敗して
しまったかのように報じていた微笑ましいニュースに、国民と王室の
信頼関係を垣間見たような気がしたのを覚えています。
26日にはきっと国中が国旗で彩られることでしょう。
岡村 恭子
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写真は全5月の庭より。
【きょうのクロスステッチ Vol. 433】 by 岡村恭子
VOL.433 今日も快晴。記録づくめの5月です。
延江さんとのおしゃべりランチの巻。
torsdag den. 24 maj 2018
5月に入ってから一度も雨が降っていません。
デンマークでは最高気温が25℃以上の日が3日以上続くと夏日と
いうのですが、5月に入って夏日がずっと続いている!という
嬉しい記録を今も更新中です。
嬉しいけれど、庭の草花は喉がカラカラ状態、芝生の上を歩くと
カサカサ音を立てます。このところ喉の乾いた葉っぱ達への水やりが日課、
ジョウロを持って行ったり来たりは結構な肉体労働だけれど、
雨ばかりだった去年を思い出せば文句など言えません。
水をやりながら草花の様子を観察するのも成長期の今頃の楽しみです。
ライラックやシバザクラは終わり、今は白いセラスチウムがレースの
縁飾りのように風に揺れています。バラも芍薬もたくさん蕾をつけました。
好き勝手な場所でとんがり帽子のような花を咲かせているのはルビナス。
こぼれ種が成長して、あっ、こんなところにも!という感じで花を咲かせます。
それも面白いので、そのままにしています。
夏の花を植え込んだばかりの花壇には多めに水をあげましょう…。
春にチューリップやムスカリで彩られていた土を球根を傷めないように、
そっと掘り返して、空き地を作り夏の花を植え込みます。
既に植わっている多年草のラベンダー、サルビア、ミソハギなどとの
バランスを考えての花選びは、刺繍の色糸選びにも似ているような気がします。
ふと聞こえてきた チチチチ…という声、あっ?!小鳥の雛の鳴く声…?
杉の木に掛けておいた “ 小鳥の家 “ にシジュウカラが出たり入ったりするのを
見かけてはいたのですが、どうやら無事にヒナが孵ったようです。
これで一安心です。無事に育って巣立ちますように。。。
そんなお天気続きの昼下がり、午前中に庭仕事を終わらせて、
久しぶりに延江さんとおしゃべりをすることになりました。
さて、どこにしよう?…、これがいつも悩みのタネです。
悲しいかな、主婦の行動半径はまことに狭く最新情報に疎い。
それを察した延江さんからのメールに添付されていたのは、彼女オススメの
カフェ候補のリンクでした。ここはどう?あそこも良さそう、と
会う前からおしゃべりタイムは始まっています。 そうして二人で選んだのは
旧市街地のホテル内のカフェテラスでした。エスカレーターを上がると
ホテルのロビー、そこからさらに奥の方にテラスガーデンが広がっています。
観光客で溢れている表通りの喧騒が嘘のような静かでゆったりした空間、
おしゃれで親切なスタッフ、都会のオアシスという言葉がぴったりです。
まずはよく冷えたグラスで乾杯。 延江さんは春のオープン
ステッチハウスのことや、彼と過ごしたホリデーのことなど面白おかしく、
私も日本での出来事を報告しながら、笑っているうちにたちまち時間は
過ぎてゆきました。
帰りがけには二人とも主婦に戻って?ワインなど買い込んでしまった。
急に重たくなった荷物を延江さんが助けてくれたりして、なんだか彼女の
お母さんになったみたいと、それも内心ちょっと可笑しく思いながら、
ストロイエのブティックをハシゴして歩くのも楽しい。
久しぶりの息抜きとなりました。次回は我が家でBBQを楽しみにネ!!
今年のコペンハーゲンは今が夏の真っ盛りです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
通りの喧騒が嘘のような寛ぎの空間が広がる。ここは都会のオアシス!
おしゃれなランチプレートを前に、愉快なおしゃべりで至福のひとときです。
日差しが眩しいと言ったら大きな白いパラソルを広げてくれました。
ストロイエ通りにはもうすぐ50歳になるプリンス フレデリック殿下を
お祝いする国旗がはためいています。
26日の誕生日に国をあげてのお祝いで盛り上がりそうです。
我が家の庭も初夏の装いです。
真っ白いセラスチウム、ハートの形をした花びらが愛らしい。
PM9:30の夕焼けです。こんな良い天気の日はみんな夜更かし!
【きょうのクロスステッチ Vol. 434】 by 岡村恭子
VOL.434 6月になりました。引き続き良いお天気です。
fridag den. 1 juni 2018
今日から6月、今朝も朝から青空が広がっています。
良いお天気の記録を全て更新した5月ですが、最後にもう一つ、
ついに29日には29,3℃にまで跳ね上がり、5月としての
最高気温を更新。もう、びっくりの暑さです。
もちろん!太陽光エネルギーの蓄電も記録を更新、わずか1ヶ月で
335,000世帯分の年間電力使用量を蓄えたそうです。
この記録ずくめのお天気、6月に入ってからもしばらく続くとの予報に、
さすがの “ 日光浴大好き人間 “ のデンマーク人も陽射しを避けて
木陰でお昼寝…、の今日この頃です。
先週末のこと、その日は朝から少し湿り気を含んだ暖かい空気に
包まれていました。ひょっとしてザーッと降ってくれるかもしれない。
心なしか、庭の草花たちもそんな思いで空を見上げている様子です。
降ってくれたら嬉しいな、と思いつつ待ち合わせ場所に急ぎました。
娘とギャラリーで興味深い展示を鑑賞しがてらショッピングの約束です。
まずはブランチから。彼女オススメのカフェを目指します。
どこどこ?と言いながら付いて行くのも楽しい。
旧市街地の中心から東側に延びるメインストリート: St.Kongensgade は
かつて家人のオフィスがあった通りです。(現在は北部の海岸通りに移転。)
久しぶりに当時を思い出してそぞろ歩くのもなんだか懐かしい。
王宮に近いので普段から観光客にも人気の界隈ですが、その日は特に
王宮広場に向かう人であふれるようです。それもそのはず
デンマーク王位継承プリンス、フレデリック殿下の50歳の誕生日で、
みんな国旗を手にしてお祭りのような雰囲気です。
正午きっかりにプリンスがバルコンに現れ、人々の祝福に答えてくれるのです。
私たちだけ人波に逆らうようにしてギャラリーへ。
美術館さながら、ゆったりとした空間に絵画や名作家具などが展示されて
います。北欧の印象派の絵画には独特の光と陰の世界が広がっていて、
日照時間が少ない国の人々ならではの感性であふれているように感じます。
他にも宝石やカトラリーなど美しい品々を鑑賞して、すっかり目の保養を
させてもらい、外に出ると遠くから鐘の音と一緒に祝福のざわめきが
伝わってきました。
夜には馬車を仕立てて晩餐会の会場までパレードがあるということですが、
それはテレビでゆっくり見ることにしましょう。
心配していた雨にも当たらす、帰宅すると芝生がしっとりと濡れています。
庭全体ががホッと安堵しているような平穏な空気に包まれています。
一瞬気持ち良いほど勢いのあるにわか雨が降ったのだそうです。
我が町内だけのゲリラシャワーだったのでしょうか?
何れにしても、プリンスをお祝いする人々の上空には降らなかったということは
やっぱり、神様の思し召しに違いない、と思った午後でした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
プリンスの誕生日で盛り上がるコペンハーゲンの様子。
手に手に国旗、頭の王冠!!
王宮広場への道はまるでラッシュ時の新宿駅?!!
木陰はオアシス。涼しい風が吹き抜けます。
【きょうのクロスステッチ Vol. 435】 by 岡村恭子
VOL.435 今日も快晴。家の手入れ日和です。
torsdag den. 8 juni 2018
夏至まで2週間になりました。
PM10:00、日没後も太陽の反射光で西の空は明るく、
あたりが透明なクリスタルブルーに染まります。
刻一刻と深まる蒼色の空に木立や家々のシルエットがまるで影絵のようです。
ふと、童話作家アンデルセンは切り紙細工も得意だったことを思い出しました。
それも、とても分かるような気がする夏の夜空です。
今日も晴れています。
ニュースでは、イチゴの栽培農家がこの陽気で一気に完熟となったイチゴの
出荷が間に合わないと嘆き、キャンプ場は芝の異常乾燥で焚き火禁止令を出し、
アイスクリーム屋さんはどこも長蛇の列!…etc.、といった具合で
世界情勢よりもお天気関連です。無理もありません。記録続きの日が続いて
かれこれ50日、いつまで続く?この晴天というのが人々の最大の関心事と
いうのも宜なるかな、というところです。でも、この猛暑もそろそろ峠を
越すのか?ひいやりとした空気が混ざるようになって、夕暮れ時には
長袖が恋しい。いつもの6月に戻って来たような気もして来たところで、
元気を出して家の手入れをすることにしました。
(デンマークではどの家もマメに手入れして住宅の保存に努めます。
冬はインドア、夏は外回り中心にD.I.Y. が常識です。)
あまり暑いと何もする気にならないし、かといって雨になったら
来年までお預けになってしまいそうな “ 夏版メンテナンス”
家人と手分けしてお互いに気になっている箇所に取り組もむことに
なりました。彼は簡易セメントを使う箇所の担当、私は庭に面した窓の鎧戸の
手入れです。まずは朝一番に町内のペンキ屋さんに走ります。
あれこれと材料の整ったところで、さあ、始めましょう!
我が家には各窓に鎧戸がついています。全部で何扉あるのかな?
少なくとも一階の庭に面しているのだけで10扉、スペインならいざ知らず、
陽差しを避けるどころか、少しでもたくさん外光を取り入れたい北欧では
非常に珍しい。住人の私たちも暑い日続きの今年でさえ、鎧戸で室内を暗く
するなんて思いもよらない。明るい季節は明るく。これが北欧ぐらしの基本です。
全然使わないけれど(無垢の木なので)放っておいたら老朽化が進む。
たまの手入れが肝要なのです。
一度に無理なので2、3扉から。
まずペーパーをかけて表面を綺麗にします。ホースで流して汚れを取り、
次にスポンジを防腐剤入りの水に浸し、一枚一枚良く洗います。
ここで下ごしらえ終了。乾かす間にランチタイム。
プラムの木陰の椅子に陣取って、お互いの進行状況を説明していると、
シジュウカラのつがいが代わる代わる低空飛行、いつになく忙しそうです。
そろそろ雛たちの巣立ちの頃なのでしょう。
その翌朝、巣箱が静まり返っています。チチチチというさえずりは
もうしません。雛たちが巣立っていった証拠です。
狭い巣箱から広い世界に羽ばたいていった小鳥たちの無事を願いながら、
何だか嬉しい朝でした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
今日の庭から。
バラ、サルビア、シャクヤクの花、いずれも今が盛りと咲き誇っています。
カラカラ状態の芝生にたっぷり水を撒くのも日課です。
鎧戸のメンテナンス。一枚の扉に21本の横板。結構な作業量です。
オイル仕上げして終了!綺麗になりました。因みに、デンマークの
一般住宅の窓枠は木製なので、時々ペンキ塗りが必要です。