2018年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 442】 by 岡村恭子
VOL.442 デンマークは猛暑雑記 : 真夏の夜の訪問者
friday den. 11 august 2018
久しぶりの更新です。
連日の猛暑に加えて次々に発生する台風と、この夏は
文字通り “ 酷暑 “ の日々と思いますが、皆さまいかがお過ごしですか?
デンマークも2018年夏は記録的な猛暑となりました。
新聞には『ここはサウナ風呂?!』という見出しが躍り、
メトロの車内温度が32℃まで上昇、乗客からのクレーム殺到、とか、
最新設備を誇る新築病棟の室温が28℃で病人夜も眠れず、などなど
手薄な暑さ対策による市民生活への影響を訴えています。
果たしてこの猛暑が今年だけの異常気象なのか?来年も続くのか?
今の所、様子見と言ったところですが、少なくとも公共機関の
暑さ対策は早急の課題になっています。
「そうよねえ、日本ならどんなに外が暑くても室内は涼しいし、
電車の中は寒いくらいだものねえ。学生の頃は授業サボって映画館に
涼みに行ったものよー。」と、そんなことを話していたら、横から
「あのね、デンマークの映画館はどこも蒸し風呂状態だから閑古鳥!!」
と、自嘲的な笑い話です。
いつもなら「暑ければ木陰で涼んでいれば良い。」とお気軽なのが、
今年はその木陰でさえ暑いのですから、人々の我慢も限界です。
暑さに慣れないこの国の人々は30℃になったらもう完璧にお手上げです。
おまけに海水浴場は赤潮が出て遊泳禁止、思わず橋の上から運河に飛び込む
無謀な若者達も出現して、とにかく、頭から水を浴びたい!という感じです。
夏休みにカヌーで運河巡りをしようとしたら、その運河が干上がってしまった、
というのには可笑しいやら気の毒やらですが、それ程異常乾燥ということですね。
我が家も例外ではありません。夜中まで窓もベランダのドアも開けっ放しです。
その日もなかなか寝付かれず、夜風がカーテンを揺らしてくれるのをまんじり
ともせず待っていると、ふと、ベッドの横で何かがすーっと動いたような、
不思議な気配に、うん?… あらっ?!… ベッドから身を起こしてみると、
すぐ傍で小さな生き物が動いたような … わっ!猫です! 黒猫です。
驚いた私に、相手もビックリしてトパーズ色の目をキラリと光らせたかと
思ったらたちまち何処かに消えました。
明かりを点けて、今のは夢?いや、違う!確かに猫だった!
急ぎ、階下に行くとやはり暑くて寝疲れないのでしょう。
一人PCで遊んでいる家人に聞きました。「猫を見かけなかった?」
何をボケているのか、と言いかけて、あっ!と今度は二人で声をあげました。
可愛い黒のシマシマ猫が庭先のドアのところに佇んでいます。
うちの子になりたいならそうしなさい。と、そのままにして翌朝見に行くと
猫の姿はありませんでした。真夏の夜の夢のようなほんとの話。
開け放しているとこんな楽しいこともある、けれど、泥棒だって
入って来られるのだからやはり少しは用心が必要だと思って、
それからはなるべく戸締りをするようにしています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
夏の庭から。アイスキャンディーにスイカ。水分補給がキーワードの夏です。
運河の浴場は連日大賑わい。街行く人々もすっかり日焼けして。。。