2018年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 449】 by 岡村恭子
VOL.449 デンマークの暮らし。
消費税25%で得られるものは?
lordag den. 13 oktober 2018
更新を少しお休みしてしまいましたが、
気分も新たに “ コペンハーゲン便り “ スタートしたいと思います。
それにしても暖かい。
10月も半ばになろうとしているのに連日20℃近くにもなって、
まるで夏のようなポカポカ陽気です。
嬉しいけれど、いいのかなあ?こんなにあったかくて?…。
首を傾げながら青空の広がる秋の日々を満喫しています。
某日、
来年には消費税が10%になるけれど、税金高いよー、と言う、
あなたの暮らすデンマークはどうなっているの?」
という友人からのメールです。
確かに、高い!けれど案外不自由なく暮らせている。
福祉先進国デンマークの税金は独特のメカニズムで上手いこと
社会全体を潤滑油のように潤しているようなのです。
日々の暮らしの中でふと思う。「なんだろう?この安心感は?」…と。
デンマークの消費税は25%です。 例えば、乳製品や基本食材などに
関してはいわゆる軽減税率になっているようですが大雑把に25%です。
日常の買い物以外、電気、水道、暖房費を始め、住宅メンテナンスで
職人さんに支払うのも請求額プラス消費税25%、うっかりすると
予算オーバになってしまうので要注意なのです。
所得税に関しては収入の約半分が税金に持ってゆかれます。
デンマークの労働賃金が高いのもそうした内訳があるわけです。高収入高納税!
それでも国民から不満の声がないのは収めた税金で豊かな暮らしの保障を
得られるからに他なりません。
教育費無料、医療費もちろん無料、高齢者福祉の充実などなど、誰もが平等に
サービスを受けられる。その代わりと言って良いかどうか?
とにかく、この国の人に貯金という考えは希薄です。
銀行は給料などの振込と各種支払いの他、必要に応じてローンを組む
相談窓口的な存在です。
結婚したら、まずローンを組んで格安物件を手に入れるというのも一般的です。
オンボロ物件に暮らしながら少しずつ理想の住まいに近づけてゆく。
すっかり完成した時に不動産価値が上がって入ればしめたものです。
さっさと売却し、また新たにローンを組んでワンランク上の新たな住まいを
手に入れるのです。段階的にローンを組んではステップアップを図る。
なあるほど…そういうことか。初めてそんなことを知った時には
目から鱗が落ちるように感心したものです。
とにかく、高額の税金を納めるけれど、それがぐるぐると回って
自分にも還元され、国全体の経済を動かしていると考えれば納得です。
とはいうものの、益々高齢化が進む中で福祉国家デンマークも
岐路に立たされていると言わざるを得ません。
来年は総選挙です。さあ、どの党が民意を反映できるか?
興味は尽きないところです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
秋の草花を室内に取り入れて。。。
町の公園にて。
木立が黄色く色づいてきました。
暖かい午後の光の中を散歩する人、ベンチで憩う人。
この赤い実は何だろう?と思いながらシャッターを切りました。