2018年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 455】 by 岡村恭子
VOL.455 デンマークのショッピング事情
プレゼントを返品換金自由って?!
søndag den. 25 novemberr 2018
12月を目前にした金曜日、ショッピングセンターには
黄色と黒の横断幕です。たった一日だけの特別セール、
その名も “ ブラックフライデー “ 。早い者勝ちの超お買い得という
触れ込みに、どこも大賑わいだったようです。
このチャンスに!と家族へのクリスマスプレゼントを買い込んでいる
男性の姿がテレビに写っていました。きっと、大家族なのでしょうね。
ところで、デンマークでは買い物をする際にプレゼント用だと言うと、
値札部分にシールを貼り、買った日付を記入してくれます。
記載された日付から2週間、店によっては30日間返品可能です。
サイズや色取り替え、または商品券に換えるというのならよくある話ですが、
返品した商品と同額をクレジットカードに即時振り込んでくれる、と聞くと、
ちょっとビックリしませんか?
頂き物を現金化してしまうなんて、私には考えられないことなので
驚いたし、そんなことしていいのかしら?と訝しく思ったものです。
でも、合理的なこの国の人々にはピッタリとくるらしい。
プレゼントを渡す側も立場が変われば同じなわけですから、
相手に渡すときに、気に入らなかったら返品してね、と一言添えます。
プレゼントに限らず、衣料品などのレシートに返品可能期間が記載されて
います。自分で品定めして購入したものを返品するということがあり得るの?
と、またしても首を傾げてしまうけれど、この国ではそれも当然有り!
なのですね。
こう書いていると、まるで人々が商品を買っては返品ばかりしている
ようですが、そんなことは有りません。
万が一の場合に、という安心システムと考えれば良さそうです。
なるべくそのようなことの無いように、大抵は事前に希望の品を
聞いてから買う。包みを開ける前から中身がわかるなんて、つまらない、
と思う反面、不要なものを受け取って困るよりずっと良い、とも思います。
そして、この “ 返品OKお気楽ショッピングシステム “ が、
人々の消費意欲を掻き立て、景気維持に役立っているような気がします。
特にこの時期は誰もが皆、お財布のヒモを緩めてショッピングを
楽しんでいます。プレゼント探しはいまの時期だけのリクレーション!?
クリスマスイルミネーションの下を行き交う人々もいつもよりずっと
華やいで見えるのは、気のせいばかりでは無いようです。
プレゼントショッピングもひと段落すると、家族や親しい人同士が集い、
思い思いにHyggeligヒュックリーなひと時を過ごします。
まんまるドーナッツ : エーブルスキーバー、
赤ワインベースのホットドリンクユールグルック、
バニラ、アニス、シナモンe.t.c. など今頃ならではのクリスマスの匂いに
包まれて。これからイヴまでのひと月間、デンマークはクリスマス一色に
染まってゆきます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
明日からしばらくお休みいたします。
クリスマス前には再開する予定です。どうぞお楽しみに!
全てクリスマスシーズンのスナップから
夕暮れ時のチボリ、デパート、クリスマスマーケットなど、どこも
沢山の人で賑わっています。夕闇に浮かぶイルミネーションが綺麗です。