きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 505】 by 岡村恭子
VOL.505 雨降りの気分転換
肉まん作りと東京イーストサイド物語
søndag den.12 januar 2020
年が明けてからも雪のかけらもない暖冬です。
おまけに毎日のように雨降りです。青空が恋しいけれど、
それが叶わないのなら、いっそ、吹雪にでもなって北欧らしい
〝 冬” を実感したい今日この頃です。
新しい年になって10日もたった頃に、日本からの年賀状が
届きました。消印を見るとクリスマス前日になっています。
年末年始の休みを考慮しても時間がかかり過ぎている。
問題だらけの郵便事情は改善されないまま年越しの様子で、
「この調子じゃ、こちらから出す手紙も日数がかかりそう…」
小さな封書をポケットに入れながら独りごちます。
ほとんどの連絡をメールで済ませられるようになった今も、
母にだけは手紙を認めるようにしています。だけど、すっかり郵便事情に
懐疑的になっている私は、近所の街角ポストを信用できません。
少し遠いけれど、スーパーマーケットに設置されたミニ郵便局の投函ボックス
まで足をのばします。ちゃんと届きますように… 手を合わせるようにして投函。
ついでに買い物も済ませ雨の中を帰宅。ふー、やれやれ。。
午後のお茶で一息入れながら、不意に、夜食用の肉饅を作ろう!と思い立った。
→ VOL.499 深まる秋 アツアツ自家製肉まんにハマる の巻
ところが、いつもの要領で簡単に素早く…というはずが、どうしたわけか、
皮用のタネがいつまで経ってもペシャンコです。丸めて捨てて再度挑戦するも、
又しても発酵してくれません。肉饅作り名人の?私とした事が今日は一体どうした
ことだろう? こういう時には一旦心を肉饅から解放するに限ります。
しばらくして何食わぬ顔で3度目の挑戦。今度はなんとかなりました。
パン生地よりも簡単な肉饅作りに手こずるなんて、きっとこれも雨のせい。
退屈な気分が反映してしまったのだ、と勝手に納得したのでした。
夕食後、前回の帰国時のアルバムを紐解きます。
⚫︎好きになった街 浅草橋界隈
友人と浅草橋の駅で待ち合わせ。そこから三筋通りまでおしゃべり散歩です。
途中、鳥越神社に参拝。目的地はもうすぐそこです。
『テライ・クラフトメント』 → https://www.terai-craftment.com
土曜日の午後だけオープンしている、まるで物語に出てくるような
小さな帽子屋さんです。そこに被ってみたかった帽子があるのです。
→ https://www.nheadwear.com
ふっくらしたベレー帽です。上質の素材、立体的で丁寧な仕上がり。
柔らかく包まれる感触。娘へのお土産と合わせて2個オーダーしました。
出来上がりを楽しみに、帽子職人のアキさんにサヨナラして
さてさて、小腹も空いてきたし、周辺の散策を愉しみましょう。
浅草橋界隈は元々職人さんの街で革製品や布などの専門店、各種の専門部品を
取り扱うお店が多く、人通りの少ない小路に天婦羅や蕎麦などの名店が
ひっそりと暖簾を出しているかと思えば、若い人に人気のセレクトショップや
おしゃれなカフェが点在している。懐の深い街です。
そして少し歩けば隅田川の水辺に出ます。
橋から眺める少々雑多なスカイラインがTokyoらしさを醸し出しています。
すっかり日が暮れた空に三日月がかかった風景は一層味わい深い。
大好きな駒込界隈をはじめ、今回の浅草周辺など、
東京のイーストサイドは市井の暮らしが感じられる魅力に溢れて
私を故郷のように優しく包み込んでくれます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
鳥越神社の境内の紅葉。近所の人がお参りしていました。
地域にすっかり溶け込んでいる様子。
うっかり見過ごしてしまいそうなテライ・クラフトメントの玄関。
帽子全て 武市 暁(アキ)さん製作。
n.headwear のデザイナー : 中島 ナオさんとのツーショット。
どうですか?私、似合ってますか?
隅田川に架かる厩橋からの眺め。
賛否両論のアサヒビールの金色のオブジェもすっかり馴染んでいます。
両国の空に三日月がかかって、永井荷風の「墨東奇譚」的な世界。