きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 507】 by 岡村恭子
VOL.507 気がつけば40年 “思えば遠くへ来たもの” です。
søndag den.26 januar 2020
雨が続いてようやく晴れた、と思ったら又雨になって。。
そんな日を繰り返しているうちに、気づけば1月も残りわずか、
少しずつ春めいて、草花の芽が土の中から顔を出し始めています。
明るい兆しを見つけるのが嬉しい頃となってきました。
そんなある日のことです。
おめでとう!という言葉と一緒に無造作に包んだ花束を受け取って。
気づけば結婚して40年になりました。
40年も経てば、小さな苗木だって立派な木に育つ。
果たして、私たちはどうなんだろう?少しは育ったのでしょうか?
例え不作だとしても、それなりに実りがあったと思えたら大正解です。
1980年、既にコペンハーゲンでデザインオフィスを構えていた家人の元へ、
お気楽な観光気分で、やってきたのが私です。
もちろんデンマーク語など、これっぽっちも分からない。
コペンハーゲンの右も左も知らない。周囲の人の親切に助けられながら
始まった新生活は、私なりに一生懸命だったのでしょうが、
思い出すのは楽しいことばかりです。
悩んだりした事もあったはずなのに、時には悲しい別れもあったのに、
長い年月を経た今、それらすべてが懐かしく温かい思い出となって蘇ります。
そうして、今思います。
歳を取るのはそんなに悪いことばかりではないなあ、と。
もしも、40年前に戻りたいか?と聞かれたら、即座にNO!と答える。
でも、生まれ変わるとしたら同じ人生を選ぶか?と聞かれたら、
う〜ん、と、ほんの少し悩むかもしれない。けれど、やっぱり
次の瞬間には、これで正解!と答えるでしょう。
デンマークに暮らすという選択肢は家人との出会いがなければ
あり得なかったわけで、そう思うと、こんなささやかな人生にも
それなりのドラマが仕立てられていたのだと、不思議な気持ちになります。
こういう時、デンマーク人だったらパーティーを開いて、
にぎやかにお祝いするところでしょうが、我が家はいつもと同じです。
テーブルに飾ったピンクのバラと、いつもより少し上等のワインで乾杯。
まあ、元気で何より、これからもよろしく!…。それでお互い了解です。
ところで、私の部屋のピンナップボードに一枚の走り書きが留めてあります。
それには、つまり、こんなことが書いてある。
1 理由がないのに転ばないこと。
2 「だって」と言わない。
3 得意になって利口ぶらないこと。
4 考えてから話す。
ひと昔前の元旦に家人が走り書きした、私の為の “ 一年の計” です。
失礼な、と思ったけれど、悔しいことに、いちいち思い当たる節がある。
ウィークポイントを突いている。しかし、未だ改善の兆しはなさそうです。
まことに残念ながら、ここは一つ諦めてもらうことに致しましょう。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ずっと続けてきてくれた嬉しいことの一つ。
気が向くと作ってくれる。男のキッチン!
この日はドライカレーでした。
これが例の? 4ヶ条です。
街角スナップ
人間も雀たちも寒さなんてなんのその!お日様の下で日向ぼっこ?!
市場の八百屋さんの店先にも春の球根花が並びはじめました。