きょうのクロスステッチ

【きょうのクロスステッチ Vol. 510】 by 岡村恭子

VOL.510 小さな図鑑で蘇る、雑草が身近だった頃のことなど。

søndag den.1 marts 2020

弥生3月、雛祭りの頃となりました。
カーテン越しの柔らかい外光で目覚めるようになり、
日に日に明るくなって行くのを感じます。

庭も春めいてきました。
秋に埋め込んだチューリップの球根から、
尖った葉っぱがピュン!と顔を出し始めています。
植物達は自分たちの成長する時期を熟知している。
天候不純の冬にもめげずに、土の中で着々と春を迎える準備を
していたのです。なんと健気なことでしょう。

雨が多かったせいで、花壇の土も水を含んでどっしりと重たい。
そんな土の間からも、ムスカリやアネモネも顔を出し始めています。
ふと足元を見るとたんぽぽの葉を広げたタンポポが。
根っこごと抜いてしまおう…と思ったけど、思いとどまりました。
いつになく雑草に優しい気持ちになったのには訳があります。

前回の東京で。
たまたま通りかかった小さな書店で手に取った文庫サイズの一冊
「散歩の草花図鑑」(大和文庫)
ページを開くと、いかにも道端で撮影したというような写真に
昔懐かしい名前が並んでいます。
ぺんぺん草(ナズナ)や赤まんま(イヌタデ)、猫じゃらし(エンコログサ)
それから、、そうそう近所の家の垣根の下に生えていたユキノシタ。
肉厚の葉の表面のフワフワした生毛が気持ち良くて、通るたびに
ヒゲのように伸びた蔓を引っ張って、丸っこい葉っぱを手のひらに取って
生毛の感触を楽しんだりしたものです。
子供の頃は自分の足元ばかり見ていたのかもしれない。
当時は町内のあちこちに舗装されていない路地や空き地があって
そういうところで遊んだり、母親に連れられて歩きながら、
道端の雑草に目を凝らし、目ざとく見つけた葉っぱを
すばしこくひっこ抜いては弄んでいたような気がします。
うまく抜けなくて、途中でちぎれてしまった時は子供心に残念で、
葉っぱの断面の青臭いような匂いのついた手を持て余したような、
そんな遠い記憶が蘇ります。
露草や白粉花や朝顔で色水を作って遊んだのも懐かしい。
俄かに庭の雑草に愛着が湧いたのも、この小さな図鑑のおかげ、
というわけです。

さて、コペンハーゲンの日常が戻り、主婦業再開です。
久しぶりに晴れた午後、食料の買い出しがてら運河沿いを散策しました。
考えることはみんな同じようです。
一体どこに隠れていたの?と聞きたくなるくらい
沢山の人が思い思いに日向ぼっこを楽しんでいました。
ジョギングをする人、乳母車で散歩する人、カフェでおしゃべりに興ずる人、
みんな、みんな、眩しい陽光浴びています。
北欧の明るい季節が始まる予感に人々の気持ちも上昇して行くようです。

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
















珍しく晴れた昼下がりの街角スナップ
抜けるような青空、お堀の白鳥達も気持ち良さそうです。
思い思いに春の日差しを満喫する人々。



「散歩の草花図鑑」(大和文庫)









今日の庭から
ムスカリ、チューリップ、セントポーリア…。



居間に小さなお雛さまを飾って。




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