きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 517】 by 岡村恭子
VOL.517 デンマークの暮らし : 緊急事態宣言から一ヶ月。
根付くと良いな「手を洗う」という新たな習慣
søndag den. 19 april 2020
小さなリンゴの苗木を一本植えました。
どこに植えようか?と迷った末に(枯れてしまった)
古いリンゴの木の根元近くに植えることにしました。
元気に育ってくれますように。。。
この家はデンマークを代表する建築家、アルネヤコブセンが
1936年に設計した個人住宅で、造園も彼自らデザインしたということです。
広い芝生にリンゴと洋梨が其々2本ずつとプラムの木が、そうして、
庭の真ん中には大きな桜の木が配置され、どの木にも果物がたくさん実って、
まるで果樹園のようでした。
収穫期になると嬉しいのを通り越して大忙し!梯子をかけて
熟したのから順にカゴに入れ、ご近所にも配って喜ばれたものです。
やがて、2本の洋梨が朽ち果て、ここ数年間で桜とリンゴの木も
次々と枯れてしまい、残るはプラムの老木のみとなりました。
植物も生きているんだ、ということを痛感しつつ、この春も
健気に白い花を咲かせているプラムに感謝しています。
他にも花壇の手入れやバラの植え替えなど、
緊急事態宣言が出されて以来、不要な外出を控え、人との行き来も無い。
お陰で心おきなく庭のメンテナンスに時間をかけられます。
買い物もなるべくまとめて、空いている時間帯を選んで行くようにし、
人との距離を上手に取るよう心がけて過ごす。
当初は少々面倒に思ったことも、日が経つにつれ普通になって来た、
と言うより、むしろ、この方がスムーズだという事に気が付いた。
他にも今回のことがきっかけとなった “ 気づき” が色々とありますが、
デンマークの人々が感染防止で実践してみて気づいた良いこと、
それは” 手洗いの習慣 “ です。
特に子供たちが手を洗うようになったことは本当に喜ばしいことです。
コロナ騒動が落ち着いた後も生活習慣として根付いてくれると
良いのですが。
そんなこんなで一ヶ月が過ぎて、感染防止策の効果が出始めています。
いわゆる感染拡大を示す曲線が緩やかなカーブで下方向になり、
危機的状況から脱出したとの正式見解が発表されました。
まだ油断は許されないものの、最も危惧されていた医療機関の崩壊は免れて、
医療現場に余裕が生まれ、通常通りの機能を取り戻しています。
既に先週から小学校や保育が段階的に再開され、
今週から歯科関係、美容理容関係、エステサロンなどが営業再開。
少しずつ日常の暮らしが戻ってきています。人々の表情も明るい。
何事も気持ちの持ち様だと思いますが、何がラッキーかと言えば、
緊急事態宣言発令以後、ずっとお天気に恵まれているということです。
これは北欧の人にとって大きなプラス要因に間違いありません。
それで無くても明るい季節になると、普段から仕事も勉強もそっちのけで
日光浴に勤しむ人々なのです。ソーシャルディスタンスを取りながら
近隣の森林散歩やサイクリング、庭での日光浴や日曜大工。
今日もご近所からDIYに精出す物音がしています。
私も二階のベランダの手すりのペンキ塗り。がんばります!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
リンゴの苗木。
日当たりの良い場所に植えました。大きくなあ〜れ。
プラムの白い花。辺りに良い香りが漂います。
蜂蜜屋さんでもらった夏の花の種を撒きました。
外出自粛の毎日。
家人はお気に入りの高圧ポンプで敷石クリーニング。
私は2階のベランダのペンキ塗り。
りんごが元気だった頃の思い出写真。
5月ごろには清楚な白い花が咲き、
晩夏にはたくさんのリンゴが!