きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 538】 by 岡村恭子
VOL.538 デンマークの暮らし : マスクをしてバスに乗ろう!
søndag den. 13 september 2020
夏の間に家の外回りのメンテナンスをする。
これは北欧暮らしに欠かせない心得のひとつです。
今年は裏木戸、キッチンドアのペンキ塗り、
2階ベランダの鎧戸と手すりのメンテナンス、
去年の夏にやり残した一階リビングの窓枠のペンキ塗り。
晴れた日を逃さずに、もう一息で完了です。
その日の庭仕事も一段落、小腹が空いたので袋をガサゴソして…
あぁ、最後の1パックになってしまったねえ…。
春秋と年2回の帰国時にトランクに詰め込んで持ち帰る食料品、
加えて、日本からやってきた友人知人たちのお土産品などで、
我が家の地下食料棚は常に豊かな在庫状態を誇っていたのが、
この度のコロナ騒動で一変してしまいました。
去年の秋に帰国てからもうすぐ一年、又帰った時に買えば良いし、
夏休みには友達が次々にやってくる!と期待を込めて楽しみにしていたのが
全て流れてしまった。そして、とうとう貴重な食材が底をついてしまった。
無いと思うと無性に食べたくなる。
コペンハーゲンで入手可能なものだけでも買いに行こう。
と言うわけで、マスク着用が義務付けられて以来、遠ざかっていた
バスに乗って街まで行ってみました。
久しぶりのバスで驚きました。何がと言って、バスの中が静かなのです。
普段は携帯で声高に話す人々で騒がしい車内がシーンとしている。
みんな無言。マスクに慣れていないデンマーク人は口を塞がれたような
気持ちになるのかも知れません。これは思わぬ2次的効果です。
これからずっとこうであって欲しいと思いながら、ふと、車窓から外を見ると、
歩行者はもちろん、サイクリスト、車のドライバー、誰もマスクなんて
していない。バスの中だけ全員マスクをしている。それだけのことなのに、
まるで我々だけ隔離された者のような気分になります。
だからでしょうか、バスを降りた途端に全員マスクを外す。素早く外す。
マスクを外した開放感からか、携帯を当てがい思い思いに喋りだす。
まるで遠い隔離社会から日常に戻ったように…。なんだかおかしい。
私だけ試しにマスクを外さず、そのまましばらく歩いてみましたが、
周囲にマスク姿の無い中で、そうしていると自分だけが感染者のような
変な気分になってしまう。あまり良い気持ちじゃないので、
人々に習って私もマスクを外しました。
お店に到着、さあ、買うぞ!と張り切っていたのですが、
商品棚にいつもあるはずのモノが無く、品薄状態です。
聞くと和食材料の売れ行きが好調で在庫不足とのこと、
コロナで旅行出来ない人が和食に目覚めたのか?
それとも、私と同様のシチュエーションの人が買い占めてるのか?
いずれにしても、長期戦になったコロナとの戦い、
まずは自分が感染しないようにと、帰りのバスでもしっかり
マスクをして家路を急いだのでした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
バス車内の様子。遠目にも元気なさそうです。
バスを待つ間に素早くマスク着用。
久しぶりのTorvhallen(青物市場)は彩豊かな秋の野菜が。
市場で初物のリンゴを買いました。
今日の庭先。
たまに気が向くとここで文章を書いたり。。。
これは近所のベーカリーで週末だけ登場するドーナッツ。
グミのトッピングが楽しい。