2010年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 35】 by 岡村恭子
VOL.35 “今が辛抱時”に徒然思う事
torsdag den 21. januar 2010
『ロングアイランドフェスティバル:いよいよ7月14日から!』
こんなバスの中刷り広告が目に飛び込んで来ました。
外は雪です。氷点下です。なんと気の早い、と笑ってしまいそうですが、
真っ暗らだった冬至からひと月。あの頃に比べたら随分明るくなって来ました。
2月の冬休みが終われば、イースターホリデー。その頃にはチボリが
オープンするし、そうこうしていう内に夏休み。ふむふむ、今年は
子供達とロングアイランドフェスティバルに行こうか…。と、
かなり大雑把に指折り数えている人々の心理を見抜いているようです。
今が辛抱時。北欧の人々は大人から子供達までみんなが今年のノルマを
早めに消化してしまおうと頑張ります。
職場では一年中で一番効率良い季節かも知れません。
娘が小学校に通っていた頃、何故か毎年冬になると水泳の授業がありました。
校内にプールは有りません。近くの屋内プールまでわざわざバスを仕立てて
往復します。体育の授業はわずか2時間(正味100分)。その間にバスの往復、
冬で着膨れている子供達の着替え、準備体操etc.に手間取り、実際に泳げる
時間はわずかでしたが、運動不足の季節に裸になって水泳する事に
意味が有ったのでしょう。実際、先生に急かされながらクラスメイトと
泳いだ真冬の水泳は娘にとって今でも楽しい思い出のようです。
もうひとつ、丁度今頃の事でした。寒波で海に流氷が見られると
知った先生が、子供達を近所の海岸に連れて行きました。たしか、
小学校の4年生の頃です。外は氷点下です。近所の海岸と言っても歩けば
20分はかかります。自然観察の授業は正味50分。急げ!時間が無い、と
言う先生と歌いながら寒風吹きすさぶ海岸に到着したものの、寒さに震え上がり、
海に浮かぶ氷片を確認すると、観察もそこそこに戻って来た。流氷云々よりも、
その時のプロセス全てが今も娘の思い出になっているようです。
将来応用の利く人間に育てるには、幼い頃から知識を詰め込む事よりも、
このくらい大雑把な教育が程良いような気がしていますが、どうでしょうか?
二つともKuNeruAsobuで今回紹介された刺繍『アイススケートの子供達』で
思い出した、娘の小学校時代の真冬のエピソードです。
今日も雪です。今が辛抱時。まさに刺繍日和です。
私も暖炉を焚いて徒然なるままに過ごそうと思います。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
窓の外は雪景色です。
庭の紫陽花も雪帽子を被って…
我が家の暖炉。