きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 587】 by 岡村恭子
VOL.587 福祉国家デンマークならでは?
パパと一緒の時間がもっと増えるよ〜!
onsdag den. 15 september 2021
日増しに秋らしくなってきました。
気づいたら夕食後の片付けが済んだ頃には窓の外は真っ暗ら。
秋分が過ぎれば、加速度的に夜の闇が深くなって行くのです。
北欧の四季は明暗の2色にくっきりと色分けされる。
その微かな隙間に春と秋が彩りを添えている。
暗い季節がやってくるまでの束の間、庭は秋の色に染まります。
先週末には、コペンハーゲンで5万人規模のライブコンサートが
開催されました。コロナパスもPCR検査陰性証明も不要。
コロナからの解放宣言をしたかのような喧騒の一夜が明け、
さあ、数日後にどうなるか?感染拡大に多少心配の向きがあるものの、
多分クラスターは発生しないだろう、と言うのが大方の見方です。
そんなこともあって、この所コロナ関連ニュースは影を潜め、
代わって話題になっているのは、いかにもデンマークらしい、
すなわち「男親の産休延長政策」です。
簡単にいうと、両親の合計産休48週(単純計算で一年間)の配分を
現在より平等化するというものです。
(母親の産前休4週間は別個でそのまま継続)
細かい内容は省くとして、現在定められている出産直後の父親の
産休2週間を9週間延長し、13週間(約3ヶ月余)にする。
それにより、母親の産前産後の育休が9週間減ってしまうのですが、
男女同権という言葉すら古臭いこの国において、女性が出産後なるべく
早く社会復帰できる環境を整えることも重要なポイントになっています。
そのためにも男性の更なる育児参加が不可欠な訳です。
もとより育休中の賃金は保障されるし職場復帰も支障ありません。
休暇中のスタッフ補填はフレックスジョブシステムにより、
就労率の安定にも繋がり一石二鳥です。
ただ、自営業の場合13週間もまとめて休業するわけに行かないので、
その辺の議論が進められているところのようです。
(自営業も育休中の賃金補償されている)いずれにしても安心して育児に
専念できるのはありがたいことに違いありません。
ただし(コロナ以来すっかり定着した)リモートワークで、赤ちゃんを
あやしながら仕事してしまいそうですが、それは約束違反になります。
13週間育児オンリー!の毎日、というのも若いパパにとってはストレスに
なりそうな気がするけれど、そういう意見は今のところ聞こえてきません。
「赤ちゃんは国の未来を担う大切な財産。」
デンマークの福祉政策には将来を担う子供達を何より大切にする精神が
根底にあります。豊かな環境ときめ細かい政策で子育て支援をして行く。
それこそが国家繁栄の基盤なのだという精神が伝わってきて、
そういう点でも「幸福の国デンマーク」としての面目躍如と言えそうです。
「お天気が下り坂らしいよ。そろそろ仕舞おうか?」
そういう家人の言葉に、庭の家具を片付けることにしました。
今年デビューした大きな白いパラソル、夏の間柔らかい日陰を作って
くれたパラソルですが、いやー、大きい。重たい!
高齢者夫婦二人で「あっちを持って、こっちを引っ張って!」と一苦労です。
テーブルや椅子は水拭きしたあと物置にしまって、やれやれ。。。
また明るい季節がきたらまた活躍してもらいましょう。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/