きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 590】 by 岡村恭子
VOL.590 日常に息づくデザイン: learning from Japan 再考
torsdag den. 6 oktober 2021
毎週一回、このページを更新するたびに前回の原稿を
読み返して、その度に季節の移ろいを実感します。
たった7日間の間に夜がとても長くなったし、街路樹も落葉し始めました。
来週は学校が秋休み、もうすぐハロウィーンです。
デンマークってどこに有るの?
北欧といえばスウェーデン、というくらいデンマークのことを
知らない人が案外多いらしい。そんなことを人伝に聞いて、
無理もない、この私だってたまたま家人が仕事のベースを
コペンハーゲンに置いているというだけの理由で暮らし始め、
気づいたらこんなに長い年月を過ごしてしまっているのですから。
そうでもなかったら私の中でも遠い存在だったことでしょう。
北欧主要4ヵ国、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド。
中でも、EUに加盟せず我が道をゆくノルウェーを別にすると、
ムーミンやマリメッコで日本にも多くのファンがいるフィンランドや
ボルボ、サーブというクルマ産業をはじめ重工業の盛んなスウェーデンと
続いて、さてデンマークは?というと、童話のアンデルセンくらいしか
思い浮かばない、という人が多いのではないでしょうか?
(デンマーク刺繍を愛し、ステッチハウスをご利用くださって
刺繍でデンマーク&日本の架け橋になっている皆様は特別枠です!)
でも実は日本とデンマークはとても仲良し、
友好関係を築いて150年余りにもなるのです。
丁度150年目に当たる2015年、両国間で記念イベントが開催されたのも
(私の中では)記憶に新しい。
中でも、デザインミュージアムで開催された「learning from Japan」展は、
この国の人々の謙虚で素直な精神と、遠い日本から学び、自国のスタイルを
確立してきた自信が、タイトルにも表れていると感心したものです。
現在” デニッシュデザイン” として知られる、シンプルで機能的な
家具、建築、陶芸などの多くが日本の伝統文化からの影響を受けていると
説明しつつ、そこからさらに進化し独自の世界を作り上げてきたと自信満々です。
優れたデザイン意匠は国境を越える、というメッセージに共感します。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://designmuseum.dk/en/exhibition/learning-from-japan/
両国の文化に共通するのは単なる「モノ」では無く、その根底にある精神性と
言えるかも知れません。
私がこんなにお気軽な気分でコペンハーゲンで日々過ごしていられるのも、
ひょっとして、そんな共通点があるからなのだろうと思ったりしています。
さてさて、今日は美味しそうな豚肉のブロックを見かけたので
我が家特製チャーシューを作りましょう。
家人特製のタレに漬け込み、3日くらい冷蔵庫で保存します。
手近な材料で創意工夫して「デニッシュジャパニーズ料理」を楽しむ。
我が家の Learning from Japan 料理は続きます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街路樹も紅葉。
黄色や赤い実をつけた公園の木々。
ゼラニウムを室内に取り込みました。
小鹿田焼とデンマークの陶芸家Kirsten Sloths の器。
風合いも似ています。
我が家特製焼豚。週末に焼き上げよう!
- 2021.10.15
- 02:30
- きょうのクロスステッチ