きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 594】 by 岡村恭子
VOL.594 冬時間になりました。
我が家のキッチンと浴室事情
torsdag den. 4 november 2021
冬時間になりました。
時計の針を1時間戻した朝はちょっと得した気分ですが、
この先も容赦なく日増しに日照時間が短くなるのです。
そんなこれからの季節はお菓子を焼いたり、
温かい煮込み料理やオーブン料理に挑戦したり…、
キッチンで過ごす時間が多くなります。
我が家のキッチンは1936年の設計当時のままです。
20㎡余りのゆったりした空間、隣接するサブキッチン、
ヤコブセンオリジナルデザインの収納に特製ベンチなどと書くと、
なんて素敵な!と思われそうですが、何しろ築85年の住宅です。
機能的とは言い難い。
大きな窓に沿った調理コーナーは明るくて気持ち良いけれど、
何故かレンジは背中合わせの壁側にポツンとある。
お料理の度に調理台からレンジまで約2mを往復しなければなりません。
パスタを茹でたら重たい深鍋を持って流しまで走る。結構な運動量です。
デンマークの知人はそんな我が家のキッチンを見て、
祖父母の家とそっくり!と懐かしがっていましたから、
田舎風もしくは昔風ということでしょう。
モダンで機能的なキッチンに憧れていた時期もありましたが、
今では少々の不便もまた楽しからずや、という心境になりました。
デンマークの人は「住まい」にとても関心が高く、
お互いにインテリア自慢かねて見せ合います。人の家に招かれると、
特に初めての家の場合には、まず家中を見せてくれます。
寝室もドアを開け放して、どうぞ見てくださいという感じです。
中でもキッチンは住人のセンスの見せ所です。
いずれも甲乙つけ難いほど素敵なキッチンが多いのには感心します。
その代わり浴室は全然と言っていいほど力が入りません。
日本のように湯船で寛ぐという習慣がない。
同じ北欧でもフィンランドでは殆どの家にサウナが有って、
特に冬場はサウナで温まる習慣がありますが、ここデンマークはそれも無い。
どうしているのか?というと、もっぱらシャワーです。
朝、シャワーでリスレッシュして一日をスタートするというのが一般的です。
実は、我が家の浴室には真っ白いホウロウセイの大きなバスタブがあるのですが、
言うまでもなく、ヨーロッパのバスタブはお湯を溜めるだけです。
熱めのお湯を注いでも、どんどん冷めて、ついには「ハックション!」という
ことになる。日本のように一定の温度を保ってくれるお風呂が欲しい!羨ましい!
つくづく、日本の「お風呂の文化」は素晴らしい!とため息混じりに思います。
ことほど左様に国によって暮らしぶりが異なるし、そこから見え隠れする
歴史や文化の違いを比べてみると、まだまだ面白い発見がありそうです。
今回はお世辞にも使い勝手が良いとは言えない、我が家のキッチンと
浴室事情をご紹介しましたが、他にも細々とあるある小さな不便を
楽しみながら、これからもこの家と仲良く暮らしたいと思っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
我が家のキッチン風景。
緑色の容器は生ゴミ用です。
デザインも色もに気入りませんが指定なので仕方なし。
オーブン横に家人手書きの「火の用心」!
隣接のサブキッチンとの間にハッチがあり、
かつてはメイドさんが二人で食器の出し入れを
していたとか、今は私一人で行ったり来たり。。
リンゴの季節です。
リンゴのケーキレシピは、こちらから
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2238.html
今回はオレンジマーマレードをトッピング。