torsdag den. 25 november 2021　

11月も残り1週間足らずになりました。
近所の広場にクリスマスツリーのマーケットが店開きしました。
今週末には目抜き通りにクリスマスイルミネーションが灯されます。
恒例のクリスマスパレードは日々更新されるコロナの感染状況で
ギリギリまで不確定な中、クリスマスシーズンの開幕！です。

デンマークは昔からクリスマスツリーの生産が盛んで、
ヨーロッパ各地に輸出されているほどです。
イギリスのウエストミンスター寺院のツリーもデンマークから
運ばれると聞いたことがあります。由緒正しい場所に置かれるツリーは
ゆったりと緑の茂った立派なものでなければならないでしょうし、
10メートル以上もある大きな木を育てるには栽培に適した
気候と環境が整っていることが必須条件だと思いますが、
その点、デンマークは四季を通じて適切な気温と降雨量、
そして肥沃で平坦な耕地に恵まれて、ツリーのプランテーションに
最適な環境だと言えます。
上空からデンマークを俯瞰すると、見渡す限りの平野が緑深い森に覆われて
いるようです。私の目には市街地でさえ十分緑が多いと思うのですが、
この国の人たちに言わせると、いやいやそんな事はない。
地球温暖化を防ぐためにも ” 自然森林” をもっと増やす必要がある、
と真剣に考えているようです。
この場合の自然森林というのは植樹や間伐などしない正真正銘の自然森林です。
既に数カ所が自然森林に指定され、今後一切人工的な処置はしないことになりました。
例え台風で倒木してもそのまま放置です。
人間と自然がバランスよく共存するためのサスティナブルな環境を目指す実験です。
言葉だけではなく即実行してしまうところが如何にもこの国らしい。
あまりにも自然回帰的だという反対意見もありますが、まず実行に移し
データーを集積し、効果の有無を改めて問うということのようです。
そんな話題で盛り上がっていた某日、
何代にも渡り広大な森を維持してきた城主がインタビューに応じ、
自ら管理する樹齢100年ほどの立派な大木を見上げながら、こう語っていました。
今、この木を伐採製材しても大したビジネスにならないでしょう。
でも、この木がここで生きている限り豊かな森の一員として、
その一役を担ってくれ続けるのです。そう静かに語っていたのが印象的でした。

クリスマスツリーから環境問題になりましたが、
そういえば、今年の秋は暖かかったなあ…。
9、10、11月と3ヶ月続いて平均気温が1℃上昇しているということです。
自然森林計画でデンマークの上空の気温上昇が止まったら
ちょっとすごいね！……、
実際には世界中が一斉にやらなきゃ効果は期待できないけれど、
努力しない国を尻目に迷わず実行してゆくところが素敵じゃない？
と、改めて小さな北欧の国、デンマークを見直す今日この頃です。

岡村　恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/







近所のクリスマスツリーマーケットから。
好きなツリーを選ぶとスタンドを取り付けてくれます。



暖かい11月、秋色の公園で楽しそうな若者たち。



珍しく晴れた日に。冬咲きの桜がまるでここだけ春のよう。






午後4時、早くも日暮れて外は真っ暗らです。
部屋のあちこちを明るくして楽しみます。