きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 633】 by 岡村恭子
VOL.633 デンマークの暮らし
冬のエネルギー対策 薪ストーブで暖まろう!
torsdag den. 18 august 2022
ヨーロッパ各地で河川湖の枯渇が深刻化しています。
一方で集中豪雨による洪水や河川の氾濫など、
極端な気象変化による被害が顕著になってきました。
一体全体、解決策はあるのか?途方に暮れますが、
宇宙的な時間軸で考えると氷河期があったように、
何億年もの間に幾度となく繰り返してきた変動期の1ピリオドに
過ぎないのかも知れない。そう思って地球の未来像を想像してみる…。
すると、脳裏に浮かんでくる光景はすっかりSFの世界です。
日常に目を戻しましょう。
デンマークもこの1週間ほど日中30℃の真夏日が続いていましたが、
今朝は小雨模様です。
あんなに暑がっていたのが嘘のように涼しい朝を迎えました。
…やっぱりクーラーは不要ということね…。
なるべく自然のまま暮らせるに越したことはありません。
今の所、デンマークでは夏場のエネルギー供給はさほど深刻にならずに
済んでいます。問題は冬のエネルギー確保です。
ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、ヨーロッパ各国にとって
今後のエネルギー供給確保が喫緊の課題です。
デンマークでは2011年に長期的エネルギー政策を打ち出し、
2050年を目指して、省エネ政策、電力化推進、そして
100%再生可能エネルギー転換、という3つのテーマを掲げました。
そんな夢のようなこと言っても無理!…とは決して思わないのが
この国の人々の良いところで、とりあえず目標を定めたら、
それに向かって進もうとする。政権交代しても国策として引き継がれてきました。
世界に先駆けて実用化した風力発電に関しては開発開始から
既に半世紀が経過しています。長年にわたる様々な経験と実績が、
再生可能エネルギー技術の先進国として国益にも繋がっているのです。
1970年のオイルショック以来、否それ以上のエネルギー危機と言われる中、
割合冷静でいられるのは、長年にわたって培ってきたエネルギー自給政策の
成果が大きいのです。
我が家は地域暖房です。地域暖房は一般ゴミの焼却で賄われていますが、
それでもこの冬から約15%の値上げが発表されました。
天然ガスを利用してきた一部地域はロシアからの供給がストップしたことで、
基本料金が2倍に跳ね上がるという深刻な状況です。
そんな中、今、人気急上昇なのが薪ストーブなのだそうです。
ひと昔前まではどの家庭も暖炉を焚いていたし、
地域暖房の行き届いた現在もインテリアの一部としてストーブを
設置している住宅を良く見かけます。
今まではちょっとした贅沢な調度品的存在だったこの薪ストーブが
暖房の主役にリバイバル登場です。
赤々と燃える暖炉を背景に膝掛けをして刺繍を楽しむ…。
まるで若草物語か赤毛のアンの世界のような、
昔懐かしいレトロな冬の情景が現実味を帯びてきました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
夏のほんの束の間、地元の新鮮な野菜が並びます。
カリフラワー、夏キャベツ、とうもろこし、
大きなグリーンピースは鞘から出してそのままお口にポン!
食べ出したら止まらない夏のおやつです。
30℃…。BBQするには暑すぎる、そんな日は
ピザとかパスタなど簡単なメニューで済ませます。。
見上げた空に鱗雲。。。秋がすぐそこまできています。
最近の薪ストーブは完全燃焼、CO2ゼロ排出。
隣国ドイツからも注文殺到だそうです。
(写真はHWAM社製)