2010年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 37】 by 岡村恭子
VOL.37 雪*雪*雪
torsdag den 4. februar 2010
ついこの間、新年を祝ったと思っていたら、アッという間に
今年のカレンダーも2枚目になってしまいました。
何もしない内に時間が過ぎて行くようで焦ります。
いつもなら庭の隅からエランティスの芽が顔を出す頃なのですが、
今冬のデンマークは記録的な大雪となり、花の芽どころか、何もかもが
すっぽりと雪の中に埋もれてしまいました。
庭仕事は当分お預け状態です。
最初の内は楽しんでいた雪掻きも、こう毎日となると少々閉口気味。
もうそろそろお終いにしたいなあ…。低く雲がたれ込めた空を見上げて、
「明日は晴れますように。」…どこか遠くの方で輝いているに違い無い、
お日さまにラブコールしてみましたが、届いたかしら?
吹雪だというのに自転車に乗ってどこに行こうと言うのか?
進行方向=前身を真っ白に、睫毛まで雪化粧してペダルを漕いで行く人が
いるかと思うと、ノルディック用のスキー板を持ちだして、
大通りを滑って行く人もいる。私の友達は凍った運河でスノーサーフィンを
楽しむ若者達を見かけたそうです。公園に行けばスノーボードを始め、
プラスティックの簡単な橇から木製のアンティークな橇まで、一体どこに
隠していたの?と聞きたくなるくらい、雪と仲良しのツールを引っぱりだし、
今がチャンス!とばかりに大人も子供も楽しんでいます。わざわざ*遠くの
スキー場に出かけるなんて面倒だけれど、夏、お天気が良い時にひたすら
日光浴を楽しむように、久しぶりの本格的積雪も日常の一部として、
大いに楽しんでしまう。以前も書いたように、
「相応しい服装でいれば嫌いな天気なんて有り得ない。」
そんな精神がこの国の人達にはしみ込んでいるのでしょう。
買い物の帰り道、果物屋さんの店先でヒヤシンスの蕾を見かけました。
紫と白を一つずつカゴに入れてもらって帰ると、さっそく窓辺に置きました。
そうして、早春の花のつぼみ越しに、雪の庭を眺めていたら、
長い冬のトンネルの先に、明るい出口が見えてくるような気がして来た!
次回はもう少し明るい季節のメッセージをお送り出来ると信じて、
取りあえず、本日の写真は雪景色オンパレードです。
* デンマークは標高差が無い平坦な地形なので、国内に本格的なゲレンデは
有りません。本格的にスキーを楽しむにはスウェーデン、ノルウェー、
オーストリーなどまで出かけなければなりません。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
雪の中、餌を啄みに来た小鳥。キッチンの窓からパチリ!
庭の様子。全てが雪に埋もれてしまいました。
夕暮れ時は室内の照明が雪に映えて、季節外れのクリスマスカードのようです。
まだ硬いヒヤシンスの蕾も、暖かい窓辺で心無しか柔らかく膨らんで来ました。