きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 638】 by 岡村恭子
VOL.6388 デンマークの暮らし スリに御用心 の巻
torsdag den. 22 september 2022
今日も秋晴れです。
午後の日差しが隣家の庭越しに居間の奥まで差し込んできます。
太陽の位置がずいぶん低くなってきました。
ああ、迂闊だった。その世界のプロから見たら
油断と隙だらけの標的だったに違いない。。。
いえね、先週の土曜日のことです。
朝から雲一つない秋晴れに、遠足日和だと浮かれてバスに乗り、
そのバスの中でスリの被害に遭ってしまったのです。
目的地に到着し、買い物をしようとリュックを肩から外すと、
締めてあったはずのファスナーが半分ほど下がっている。
嫌な予感と一緒にリュックの中に手を差し込んで…うん?あれ?…
どこを探しても… 無い!リュックの内側ポケットに入れたはずの
お財布が見当たらない。
やられた!… と思った時はすでに遅しです。
後から思えば思い当たることがあるけれど、今更ぼやいたところで始まらない。
急ぎ帰宅しクレジットカードの使用停止手続きをしなければ!そして
警察に盗難届けも出さなければならない。これら 全てwebで出来るという
デンマーク人にとって簡単で便利なシステムが私には結構大変です。
気が動転しているから余計に質問の文章が頭に入ってこない。
駆けつけてくれた娘の助けでなんとか無事に完了しました。
やれやれ…、
一息ついたものの私の心は “ 秋晴れから曇天“ へ急降下です。
自己嫌悪で塞いでいる私を見かねて、
財布だけで済んで良かったじゃないか。何かの厄祓いだと思えば良い。
という慰めの言葉になんとか気を取り直して、
週が明けたばかりの午後のことでした。
携帯が鳴りました。知らない番号です。いつもは出ないのに
何故かその時は素直に受けたのも不思議なのですが、
驚くなかれ、なんと、声の主が「あなたのお財布を拾った」というのです。
俄に信じられないような急展開に驚きながら、
もちろん、すぐに受け取りにゆきました。
指定された場所にゆくと、お財布を私に手渡しながら、
あなたのなのね。良かったー。
自分の車を出そうとしたら、そのすぐ脇の歩道に落ちていた。
財布の持ち主がさぞかし困っているだろうと思い、
保険証を手がかりに連絡先を調べて電話をくれたのだそうです。
本当に親切な方に見つけてもらい、ラッキーとしか言いようがありません。
重ね重ねお礼を述べ、その場を後にしました。
現金以外は全て無事でした。
スリというのは犯行の証拠が残るようなことは絶対にしないのだそうです。
現金を抜き取った後はその辺に捨ててしまうか、律儀な悪者はポストに
投げ入れるのだとか。
だから今回のように戻ってくるケースも案外多いのだそうです。
デンマークも捨てたもんじゃない。
日本のように交番はないけれど、
日本に負けないくらい善意の人がたくさんいる。
お陰で私の心も“ 曇天のち雲ひとつない快晴!“ になりました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街角スナップより
観光客で混み合うハイシーズンのストロイエもスリの
稼ぎどきです
秋の彩を庭から採り込んで、食卓を演出するのも楽しい。
枯れ葉かと思ったら昆虫です。折り紙みたいで面白いカタチしてる。
今頃になって白い小さな花がちらほらと。。
夏の間庭先に出していた柑橘系の鉢植え。
初夏からずっと青かった実。ようやく黄色味を帯びてきました。
今頃になって白い小さな花がちらほらと。。