きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 641】 by 岡村恭子
VOL.641 デンマークの暮らし
総選挙で見えてくるデニッシュデモクラシー
torsdag den. 20 oktober 2022
デンマークは秋休み…ということを口実に、
このページも一回お休みして2週間ぶりの更新です。
今日はまるで春のようなポカポカ陽気となりました。
秋晴れのお天気にあやかって明るい気分で、
休み明けのコペンハーゲン便りを始めましょう。
早春、クレマティスの黄色い花が咲きはじめた頃、
3年に渡ったコロナ禍がようやく落ち着いて来たと思ったら、
突然のようにロシアのウクライナ侵攻が始まってしまいました。
現在も泥沼状態が続く中、デンマークではメッテ フレデリクセン首相が
11月1日に解散総選挙を実施すると発表しました。
コロナ禍で疲弊した経済の立て直しや今後の国防問題など、
歩み寄り可能な野党との連立政権を立て、強力に政策を推進したい考えです。
同首相(44歳)はコロナパンデミックの際、いち早く国境封鎖したのを
皮切りに、速やかで思い切った対策を次々と実行し、
国民の信頼も厚かったのですが、コロナ変異種感染防止として
毛皮用ミンクの一斉殺処分を施行したことで一部から痛烈な
批判を受けてます。女王様でさえ毛皮などお召しにならない時代です。
最大の取引先が中国とロシアだという面からも、ひょっとして彼女は
この機に自国からミンク産業を無くしたかったのではないか?と、
これは私の勘ぐりですが、それをも含め、選挙によって国民の判断を
仰ぎたいということのようです。
彼女がインタビューの中で、今も殺処分は間違っていなかったと明言し、
言い訳せずに国民に真意を問う姿は見ていても気持ち良く、いかにも
ソーシャルデモクラティックな国=デンマークの政治家らしい印象です。
デンマークでは同首相を筆頭に、現在大小合わせて14ある政党のうち、
何と、8政党の党首が女性です。
街中に掲げられた選挙ポスターも女性候補者が目立ちます。
女性の政治参加率が高い理由などについては長くなるので、
またの機会にしたいと思いますが、数字を見るだけでも
この国では“ 男女平等“ という言葉の意味が逆転してしまっているようで
面白いですね。
残念ながら私には投票権がありませんが、いろいろな意味で
とても興味深く選挙戦を見守っているところです。
人間社会は問題山積ですが、こうしている間も時間は静かに過ぎてゆきます。
そしてもうぐハロウィンです。
元々秋の収穫を祝うお祭りだったのが、今では魔女や怖〜いお化け?に
コスプレした子供たちが街に繰り出す秋のイベントになりました。
スーパーにはかぼちゃんグッズがたくさん!
私も子供たちのはしゃぐ姿に和みたいと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
スーパーには食用とデコレーション用のカボチャがたくさん!
おもちゃ売り場には子供たちの仮装グッズで溢れています。
カボチャ色は元気の出るビタミンカラー!
近所の公園の選挙ポスターも女性2人に対して男性1人!
リグスターという名前の垣根。
秋になると葡萄色に小さな実がたくさん付きます。
窓辺の鉢植えに初めて白い花が咲きました!
沈丁花に似たむせかえるように甘い香りを放っています。。