きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 652】 by 岡村恭子
VOL.652 デンマークの暮らし どちら様も風邪にはご用心の巻
torsdag den. 26 januar 2023
一月最後のページです。
冬至の頃に比べて日照時間が一時間ほど長くなりました。
珍しく晴れた夜空に細〜い上弦の月が、まるでブローチのように
キラリと光っています。
ここ数日めずらしく風邪気味で元気が出ません。
コロナワクチン、インフルエンザワクチン共に接種済みだし、
出来るだけ不要な外出など控えていたのに… 仕方が無い。
こういう時は暖かい部屋でのんびりするに限ると思っていた矢先、
一枚の通知が舞い込みました。事もあろうに地域暖房メンテナンスの為
5時間ほど暖房がストップするという知らせです。
何度か書いているのでご存知とは思いますが、
給湯基地から地下の配管を通して各家庭に給湯暖房する仕組みで、
燃料が可燃ゴミのみで賄えるという地産地消且つ環境にやさしい
セントラルヒーティングシステムです。
コペンハーゲン一帯はCopenhagen Hillという超近代的且つ画期的な
ゴミ焼却施設から供給されています。(詳細は↓)
https://tabicoffret.com/article/78015/index.html
我が家から出る可燃ゴミも一役買っているはずで、
環境問題を身近に感じることのできる優れた方法だし
時々メンテナンスが必要なのも納得です。
でも、何もこんな寒い時期にしなくても良いではないか?!
元気な時なら暖房の来ない部屋などにジッとせず、
冬のセールで賑わう街に繰り出すところですが、
体がザワザワして外出はおろか掃除も料理もしたくない。
そんな時に例え数時間でも暖房がストップしてしまうなんて…と、
ブツブツ言いながら、ブランケットに包まって手近な雑誌のページを
見るともなく眺めていた時です。
「はい、これ…」
家人が無造作に差し出したのは、茶紙に包まれたチューリップの花束でした。
赤、黄、白、ピンク、そして紫。色とりどりの春を呼ぶブーケ!
そうでした。その日は二人の結婚記念日でした。私はすっかり忘れていました。
風邪気味だし、暖房は止まってしまうし、と文句タラタラの私を見かねたのか?
お勝手口からそっと出て、近所のお花屋さんにひとっ走り!したらしい。
色とりどりのチューリップで部屋も私の心も一気に温かくなりました。
夕方、暖房も回復した食卓でチューリップを愛でながら、
有り合わせの材料で作った簡単メニューで乾杯。
何はともあれ健康が一番!と改めて思った日のハプニングでした。
あれから数日、少しずつ元気も回復してきました。
デンマークでは市販の風邪薬は咳止めのシロップと解熱剤くらいです。
少しの風邪(コロナも含む)は自然治癒が常識です。
こんな時、何でも揃う日本のドラッグストアが恋しくなりますが、
いやいや、薬になど頼らないのに越した事はありませんね。
皆様も冬風邪には充分気をつけてお過ごしください。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
色とりどりのチューリップで元気回復。
オーブンで温めた市販のパイ生地にチキンのホワイトソースを詰めるだけ。
この日はリゾット添え。ご覧の通りパセリもルッコラも無くて…
Copenhagenhill ゲレンデからの眺望。