きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 666】 by 岡村恭子
VOL.666 デンマークの暮らし
一年に一度の自分の記念日を満喫する の巻
søndag den. 18 juni 2023
眩しい太陽に雲のカーテンがかかって
やがて雨音が聞こえてきました。いい音色です。
日照りですっかり乾燥してしまった庭の草木たちから
ホッと安堵のため息が聞こえてきそうです。
雨も上がり晴れ渡った週末、その日は私の誕生日でした。
どんなに年を重ねても家族や友人に祝福されるのは嬉しいし、
なんだか晴れがましい。
主婦恭子にとっては自由気ままに過ごせる特別デーです。
どうして満喫せずにいられましょう。
何か素敵なアイデアはないかと手近なお楽しみを探していたところ、
私にピッタリのイベントを見つけました。
年に3回しか開催されないフリーマーケットです。
神様からフリマ好きな自分へのプレゼントに違いない、と
大袈裟なことを言いながら、掘り出し物をゲットすべく
大きなトートバックを下げて嬉々として出かけたのでした。
我が家から旧市街地を抜けて、北側に巡らされたお堀を渡ると
活気のあるNørrebro地区になります。
その周辺一帯は人種も職種も様々に自由な雰囲気の広がるダウンタウン。
古いアパートが建ち並び、ブルー、オレンジ、グレーなど様々な色で
塗装された外壁に、誰が描いたのか?至る所に大胆な文字や絵で
グラフィティーされている。それがポップアートのように街並みに
溶け合い一種独特の雰囲を醸し出しています。
ゆったりと葉を広げた街路樹の下はマーケットの一等地です。
店開きしている人も珈琲を飲みながら、のんびりとピクニック気分で
見るからに楽しそう。
ガラクタの中から素敵なモノに巡り会える予感を抱きながら、
通りをあちらからこちらへ、宝探しに夢中になって少々草臥れました。
お堀沿いのカフェに陣取ってランチにしましょう。
汗ばむ額に水辺の風が気持ち良いこと。
… ここはパリよりもパリらしい。
パリ在住の友達が言っていた言葉を思い出します。
そう思ってみると、カフェに憩う人々の姿が
印象派の絵のように見えてきます。
肝心のフリーマーケットは期待していたようなものに巡り会えず
少々がっかりでしたが、明るい陽光の下、人々が行き交う風景の
中に身を置いて束の間のエトランゼ。愉しいひと時を満喫しました。
…特別な一日は瞬く間に過ぎて、
ひとつ歳を重ねた “ 主婦の日常“ が始まってしまいました。
夏至まであと数日です。
明るい季節のピークを迎えます。
今しばらくの間、北欧の夏を楽しみたいと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
お堀沿いのカフェです。ちょっと良い感じでしょ?
至る所にグラフィティーが。
でも、不思議に周囲と調和している。
こんな素敵なファサードも!
ワイワイと戦利品を見せ合いながらのランチが楽しい。
お堀に鴨の親子が!
パパ鴨が先導してます。
ママの後に7羽の小鴨が可愛い!。
今回、見つけて家に持ち帰ったのは
甘い風合いの小さなガラスの器2つ。