きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 669】 by 岡村恭子
VOL.669 デンマークの暮らし 町中がスィングする週末。
筆不精返上の夏。
søndag den. 9 juli 2023
朝から青空が広がっています。
久しぶりの真夏日(=日中25℃以上なる日)という予報に
洗濯物を裏庭に干しました。
夏休みに入り町内はいつもより静かです。
そういえば、お隣さん地中海のクレタ島へ3週間と言っていたし、
みんな思い思いの休暇を過ごすべく家を空けているのでしょう。
言うまでも無く、この私には事さら夏休みはありません。
平均気温23℃湿度10%という快適指数のコペンハーゲンで
いつもと変わらない毎日が過ぎてゆきます。
⚫︎町中がスィングする週末。
今頃になると小鳥の囀りに混ざってどこからともなく
テナーサックスの気持ち良い音が流れてくることがあります。
いつだったか、散歩の途中で鬱蒼とした木立の中から
聞こえてきたこともありました。
ジャズに詳しくない私にも夕暮れ時の少し気だるい音色は魅力的です。
そんな大人の世界が広がるイメージのJazzですが、
コペンハーゲンのJazzフェスティバルは明るく陽気に町中がスィング、
子供からお年寄りまで親しめる夏の音楽イベントです。
芝生の公園では風船を持って楽しく過ごす親子連れで賑わいます。
チビたちがリズムに乗って飛び跳ね、自然とスィングしてしまう。
自由にのびのびと子供らの情操が育てられてゆくのでしょう。
コペンハーゲン、良い街です。
⚫︎懐かしい便り
歳を重ねるごとに無沙汰が長くなってしまった知人などに
連絡しずらくなってきました。
先方の健康状態を案じてしまうからです。
今頃どうしているだろう?つつがなく過ごしているだろうか?
そんなことを思いながら万が一のことを思って連絡しぞびれている。
その中の一人にフィンランド在住の先輩がいました。
まだ狭いアパートに住んでいた頃からの付き合いです。
真夏のヘルシンキで一緒に過ごしたひと時、
離れ小島のレストランでの白夜の夕食、自宅のステアに置かれていた
愛らしい小石たち、彼のまっすぐな性格から出てくる言葉の数々…。
「デンマークの森は優しいね。フィンランドの森は笑わない。
(デンマークはブナなのどの広葉樹、フィンランドは針葉樹)
もっと北に行くと木も生えていない。苔ばかり。
南下してようやく一本の白樺の木に出会った時、
その白樺が風にそよいで、まるで笑っていたよ。」
…そんな詩的な言葉にうっとりしていると、
唐突に「老後はどうするの?」などと超現実的な質問を投げかけてくる。
その飾り気のない人柄が一層好ましく感じられるのでした。
ひょんなことから彼が日本の故郷に戻って新たな創作活動を
開始したと知り連絡しました。
「お元気そうで何より嬉しい。」…。すると間も無く
「庭のさくらんぼの木はますます大木でしょうか?」
と返信がありました。
嗚呼、お互い元気で何より。ほっと安堵と共に急に彼との距離が
縮まったのでした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
コペンハーゲンジャズフェスティバルから。
お天気に恵まれて、オープンエアのステージは大人気。
大変な混雑ぶりでした。
大人っぽい素敵なカップルの姿が印象的。
我が家の庭より
紫陽花が咲き始めました。
大きくなり過ぎたライラックの枝払い中。