きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 682】 by 岡村恭子
VOL.682 デンマークの暮らし 嵐の前の暇つぶし
torsdag den. 19 oktober 2023
通学路が静かだなと思っていたら今週は学校が秋休みでした。
子供達のためのアウトドアイベントが目白押しの中、
残念ながら秋休み最後の週末は台風襲来という予報です。
特にイベントもない我が家では家人が庭を点検、
鉢植えオリーブが吹き飛ばされないよう垣根に括り付けてくれました。
⚫︎東向き?西向き?再考。
先日も東向き?西向き?というタイトルで暮らしの中で実感する方角に
ついて書いたばかりですが、(詳細は下記リンクにて。)
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2543.html
台風の接近に伴って、またまた東か?西か?が大問題になっています。
ただし今回は “ 陽当たり“ ではなく “ 風向き“ です。
デンマークは北海に面したユトランド半島と、そこから東側に向かって
点々と繋がる大小の島々からなる、全部合わせてもほぼ九州と同じくらいの
面積しかない小さな国です。首都コペンハーゲンは最も東に位置し
(ボンホルム島を除く)内海のバルト海に面しています。(地図参照)
私が初めてコペンハーゲンに来た頃に驚いたことの一つに、
坂道が無いということがありました。遮る物もない道の向こうに夕陽が
沈む風景の新鮮なこと!それくらい真っ平ら…ということが天気にも
影響しているのは当然で、特に風の影響は大きい。
常に北海からの西風にさらされているユトランド地方では、木々が東向きに
傾斜してしまうほどです。そして、そのまま遮る山とてない大地を吹き渡り
コペンハーゲンの上空を通過、更にバルト海上方面へと吹き抜けてゆくのです。
庭仕事をしていると西から東へ風が吹き抜けます。
おかげで我が家の庭木なども少し東向きに傾いています。
所が今回の台風は反対方角の東側から吹いてくるというのです。
強風に押された海水がバルト海の方から、ぐんぐん押し寄せてくるそうです。
丁度満潮に重なるため場所によっては2mを超える高潮になるという予報です。
幸いコペンハーゲンは高潮による影響は受けないものの強風が心配です。
今のうちに裏庭など気にかかる箇所をチェックしなくては!
そういえば、いつも静かな東向きの仕事部屋の窓の外がザワザワしている。
でも、本番はこれから。今はまだ嵐の前の静けさといったところです。
こういう日は文庫本を手にのんびりするに限ります。
何気なく手に取ったのは 池波正太郎氏の晩年エッセー「ル パスタン」
Le passe temps 。 その名もフランス語で「暇つぶし」だそうです。
今の私にぴったりです。
⚫︎読書「暇つぶし」の合間の「暇つぶし」に…
10月15日はプリンス クリスチャンの18歳の誕生日でした。
祝賀行事のクライマックスである晩餐会にはロイヤルファミリーに加えて
全国各地域から2名ずつ18歳の若者たちが招待されました。
華やかな中にも寛いだ雰囲気が国民と共にあるデンマーク王室らしいし、
祖母であるマルガレーテ女王、父君のプリンス フレデリックの祝辞に
返礼する若きプリンスの堂々としたスピーチにデンマーク王室の未来は明るいと、
外野の私までも晴れやか気持ちになったのでした。
当日の様子はデンマーク王室のホームページをご覧ください。
https://www.kongehuset.dk
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
デンマークの地図。
地図左に北海、右上にバルト海の表示。
首都コペンハーゲンはジーランドという島にあります。
18歳を迎えたプリンス クリスチャン。
両親と共に広場に集まった人々に手を振って応えるプリンス。
パーティーでの正装した姿も凛々しい。
デンマークTV特番 「プリンスの勉強会」より。
国会議長から政治の仕組みを、空軍大佐からは防衛について説明を受ける。
父君のプリンス フレデリックが付き添っているのが微笑ましい。
“ 暇つぶし“ にふさわしい気軽に読める一冊。
ページに散りばめられた著者自筆スケッチも魅力です。