きょうのクロスステッチ

【きょうのクロスステッチ Vol. 688】 by 岡村恭子

VOL.688 デンマークの暮らし 年の瀬に蘇る遠い記憶

søndag den. 3 december 2023

12月になりました。
連日氷点下ですが、それも年の瀬らしいと思える今日この頃、
スーパーの棚には冬のスィーツとして定番のドライフルーツが山積みです。
胡桃やヘーゼルナッツなどの木の実、杏やナツメ、無花果など
お菓子や料理に使ったりする他、スナックとして気軽につまめるよう
テーブルに置いて楽しみます。
炬燵の上の蜜柑と干し柿、といったところです。
そして、クリスマス本番を迎える前の慌ただしい雰囲気は
私たち日本人が新年を迎える準備に追われる師走の様子にも
少しばかり似ているような気がしています。

私の幼少期の年の瀬というと…、と書きながら…?!
自分が終戦からわずか5年後生まれだという事実に愕然となってしまった。
世の中は戦後の復興の最中で大人達は大変だったのでしょうが、
思い出の中は平和そのもの。畳屋さんが来て畳の張り替えをしていた
時の情景がくっきりと浮かんできます。
大きな太い釘のような物をグイッと刺し、体重をかけて肘で押さえ込む
仕草を繰り返す、その様子を、多分しゃがみ込んで眺めていたのでしょう。
井草独特の日向のようにカラリと乾いた匂いと共に蘇ります。
そうそう、商店街の畳屋さんの近くには母が“ お布団屋さん“ と呼んでいた
寝具店がありました。古くなった布団綿を打ち直してもらいフワフワに
なった綿が山のようになって配達された時は子供心に嬉しかったし、
珍しく姉さんかぶりをした母が布団用の生地を裏表に広げて、
その上にフワフワの綿を丁寧に並べてゆくのをそばで見るのも楽しかった。
最後に布団布の角を縫い針でピンと引っ張るように角を決めて完成。
その時の母の会心の笑顔。
縁側を開け放っていたから年末ではなかったのでしょうが、
冬を迎える準備だったに違いありません。
フローリングの床や羽毛布団などなかった頃の思い出です。
こうして自分の幼かった頃の思い出をたどりながら、
人間がこの世に生を受けて最初に残る記憶はいつ頃なのかなあ?
ふと、そんなことを思いました。
庭で畳屋さんが作業するのを飽かず眺めていた私は一体何歳だったのだろう?
一生懸命にお布団を作り直していた母はとても若かったに違いない。
昨日何を食べたのかもすぐに忘れてしまうのに
遠い過去の記憶は鮮明に思い出すのは歳をとった証拠だというけれど、
それもまた愉しいではないかと思っています。

さて、日常に戻りましょう。
今年もクリスマスツリーを買いに行く頃になりました。
我が家では私がデンマークに来て以来、欠かさずツリーを飾ってきました。
家人にしたら門松を買うような気分に似ているのかも知れません。
我が家の大切な歳末行事という感じです。
ある年には、幼い娘が喜ぶ姿を見たい一心で、天井につかえてしまう程
大きなツリーを買ってしまったことがありました。
四苦八苦の後、無事にツリーが立った時のみんなの笑顔と歓声を
いつの日か、彼女も懐かしく思い出してくれるでしょうか?

岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/




街角スナップより。
今年も美しいロイヤルコペンハーゲンのショーウィンドウ。






街角のクリスマスツリー屋さん。
幼稚園の子ども達がみんなで運んでいました。
クリスマスの思い出として記憶に残りますように。









クリスマスクッキーを焼きました。
最後に赤いリボンを通したら完成です。



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