きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 691】 by 岡村恭子
VOL.691 今年もどうぞよろしく。
2024年 デンマークの初春ニュース
søndag den. 7 januar 2024
この度の地震で甚大な被害を受けた被災地の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。
厳しい寒さの中、不便を強いられている多くの方々に一刻も早く
救援の手が届きますように、一日も早い復興を願っています。
デンマークも荒れ模様のお天気で新年を迎えました。
年末から雨が続き、大晦日の花火も勢い無いまま元旦を迎え、
その後も強風を伴う横殴りの強い雨で場所によっては洪水も発生、
昨日今日とようやく晴れたと思ったら、シベリアの寒気団に
すっぽりと包まれてしまい氷点下10℃。長雨で水分飽和状態の
庭もカチンカチンに凍りついてしまっています。
気候変動がますます顕著になる予感を感じつつ
気を引き締めて2024年をスタートしたいと思います。
⚫︎2024年デンマーク初春ニュース。
1月14日日曜日、
デンマーク王室の王位継承式が執り行われることになりました。
現在のマーガレテ女王からフレデリック皇太子に受け継がれます。
マーガレテ女王は1940年にフレデリック9世の長女として誕生、
1972年、父君の死に伴い女王に就任して以来52年間
デンマーク王室を支えてきました。
国民の人気も高く、毎年夏にはロイヤルシップで全国の地方を訪れ、
その土地の人々と交流、またデンマーク領のグリーンランド訪問の際には
同島の伝統的民族衣装を纏い、現地の人々の熱烈な歓迎を受けるなど、
長年に渡り国民に愛される王室を築くべく努力をしてきました。
アーティストとしての才能も豊かで絵画やデコパージュは趣味を範疇を
超えています。ロイヤルバレー団の衣装をデザイン監修、舞台美術にも
オリジナリティー溢れるアイデアを提供するなど、公私共に豊かな
人生を歩まれてきました。
また、一昨年末にはデンマーク王室の将来的展望を明確にして、
王位継承者以外の成人メンバー(18歳以降)は一般国民と
同じように自由に職業を選択し自立してゆくように明言しましたが、
それは日常の拘束から解き放される代わりに、国からの優遇措置から
外されることを意味しています。まるで、逞しく生きてゆけ!と、
崖から突き落とす親鳥のようではありませんか。
王位継承することとなったフレデリック皇太子夫妻、
とりわけオーストラリア出身のプリンセスマリーに対する女王の信頼は厚く、
皇太子が結婚後は精神的にも安定し立派に公務をこなしてきたことに
大きな安堵を得たのだろうと思います。
14日は新しい王様誕生を祝福するたくさんの人々で王宮広場を中心に
コペンハーゲン中がお祝いムードに包まれることでしょう。
既にDSB(国営鉄道)のチケットは完売、ホテルも満杯ということです。
長引く紛争、巨大化する自然災害、私たちを取り巻く環境は深刻化を増す中、
北欧の小さな王国の新たなスタートは明るい光のように感じられます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
2023年大晦日。
恒例の国民への言葉の中で王位継承を述べる女王。
フレデリック皇太子夫妻とファミリー
2024年新年挨拶の儀に際して、
女王として最後の馬車によるパレードと
賓客の挨拶に答える女王と皇太子夫妻。
(写真は全てDR.DK より)