きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 692】 by 岡村恭子
VOL.692 祝・デンマーク王室の新たな一歩。
mandag den. 15 januar 2024
2024年1月14日。
デンマークに新しい王様が誕生する記念すべき日曜日の朝。
まるで神様から祝福を受けるかのような青空が広がりました。
日中心配された雨にも降られず、夕方のパレードが終了する頃には
西の空がほのかに茜色に染まり、人々の頬を照らしました。
昨年大晦日、
マーガレテ女王が王位をフレデリック皇太子に託す決意を
述べた際には誰もが突然の事でビックリ!したものの
(詳しくはVOL.691 をお読みください↓)
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/categories/64386.html
それからわずか2週間後の本日、国民の祝福に包まれて、
如何にもこの国らしい心温まる王位継承式が滞りなく
執り行われました。
バルコニーに立った新国王フレデリック10世は埋め尽くした群衆を前に
感動の涙さえ浮かべ、何度も手を振って祝福に応えていました。
そんな初々しい王様の姿に、ある人は我が子の成長した姿を見るようだと言い、
またある人は国民と共にある王室の象徴的存在と誇らしげに語る。
こうして52年間に渡る女王マーガレテ2世の時代に幕が降りました。
このような一大事がわずか2週間という短期間で滞りなく執り行われたのは
マーガレテ前女王が何年にも渡り、熟慮し準備してきたからこそだと
いうことは想像に難くありません。
ヨーロッパで最も長い歴史を誇るデンマーク王室の今回の決断と
実行は他の王国にも大いに参考になったのではないかな?と思います。
白馬を先頭に進む華やかな衛兵の行進。
沿道や王宮前は祝福する人々で埋め尽くされ、
赤に白十字のデンマークの国旗が打ち振られる。
バルコニーに現れる新国王を今か今かと待ちわびる。
人々の高揚した気持ちが寒空を跳ね返す。
夜空に祝福の花火が打ち上げられて記念すべき日が暮れました。
明日からまたいつもの日常が始まります。
デンマーク王室は心機一転、
新しい体制で国民に寄り添うこととなります。
心機一転。この言葉がみんなに元気をくれそうです。
そんなおとぎ話のような日曜日が過ぎて、一夜明けると一面の雪景色です。
現実に戻されてため息混じり、雪掻きから1日が始まりました。
春が来るまでしばらくはこんな毎日が続きます。
昨年来の長雨の影響がどう出るか?
花壇の球根や数年前に植えた桜の木の根腐れを
心配しながら春が来るのを待ちわびる今日この頃です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
王位継承の署名する前女王陛下とフレデリック10世。
皇太子になった孫のプリンスクリスチャンも同席。
華やかな馬車のパレードと祝福の人々で埋め尽くされた沿道。
祝福に答えるフレデリック10世とクィーンマリー。
夜空には花火が。
(以上、全てDR.dk より)。
水栽培のヒヤシンスと雪化粧の裏庭。