きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 693】 by 岡村恭子
VOL.693 デンマークの暮らし リサイクル先進国?の巻
mandag den. 22 januar 2024
冬至から1ヶ月が過ぎました。
先週からの寒波も峠を越え、今日は+3℃まで気温が上昇、
とても暖かく感じられます。
ステッチハウスのイースターのモチーフに
春の足音が聞こえてくるような気もしてきますが、
外を見れば冷たい風が吹いています。
もう少し辛抱我慢の北欧暮らしです。
⚫︎バス通りが “ リサイクルショップ通り“ になっている!
先日、旧市街地の方まで出かけた時のことです。
バスの車窓から何気なく商店街の風景を眺めていて気がつきました。
ずっと贔屓にしていたペンキ屋さんも、大きなプリンター屋さんだった場所も、
それから…以前何のお店だったか?忘れてしまったような場所も
リサイクショップになっているではありませんか!
教会や赤十字社が運営するショップは不要なものを持ってゆくと
引き取ってくれるので、たまに寄付がてら利用してきましたが、
最近はビンテージ物を扱う専門店や、まるでハイファッションの
ブティックのような感じのショップが流行りのようです。
売りたい服などを持ち込み自ら希望価格を設定、バーコード決済という
シェアオフィスならぬシェアショップも出現し、
売り上げると経費を引いた金額を自動振り込みという便利な方法で
特に若い人を中心に人気だそうです。
環境問題に意識の高い人たちが支持しているのも特徴的で、
何でもかんでも新品を定価で購入する時代では無くなったという印象です。
こうした背景には地球温暖化の大きな原因とされるCO2排出規制があります。
昨年ドバイで開催されたCOP28を機に、EU議会は衣料品の過剰生産禁止条例と
共に余剰製品の破棄を禁止すると発表したこともあって、
ヨーロッパでは若い人を中心にリサイクル、リユースの意識が
急速に高まってきているのです。
デンマーク政府が官民一体となって食料品の無駄を無くす取り組みを
していることは以前お伝えしましたが、(詳しくは↓VOL.460 にて)
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2039.html
その他にも、
各地域にリサイクル集積所を設置、家具、衣類、雑貨などのほか、
建材なども山積みで、処分しに来た人と探し物をする人で賑わっています。
集合住宅の敷地内には住民専用のリサイクルコーナーが設けられていたり、
大掃除や引っ越しなどの際に出た不要品に「無料」と書いて
家の前に置いてあるのを見かけるのも日常的風景です。
町内のfacebookの掲示板にも不要になった衣類や家具などの
引き取り手募集中!の張り紙も度々見かけます。
こうして改めて周囲を見回すとリサイクル&リユースが
日常化しているのを実感します。
モノを大切に過ごすことで地球温暖化に歯止めがかかったら一石二鳥!
というのは、少々考えが甘いかもしれませんが、
まずは最初の一歩。身の回りから始めよう!
2024年はモノを大切にする年にしたいと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
赤十字社が運営するリサイクルショップ。
衣類はじめ食器、書籍、家具、スキー用品まで豊富な品揃え。
食料品の無駄をなくすことが目的のWe Food ショップ。
賞味期限間近のものなどを格安で提供、売り上げの一部が
生活困窮者救済に使われる。
最も身近なリサイクル。住民たちが主催するフリーマーケット。
長く続いた雪もようやく止んで…。
晴れた空が一層明るく感じます。