きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 694】 by 岡村恭子
VOL.694 デンマークの暮らし コペンハーゲン的住まい情報
分譲、賃貸、それともコーポラティブ?
mandag den. 29 januar 2024
急に陽差しが明るくなってきました。
ついこの間まで一日中灯りをつけっ放しにしていたのが
嘘のようです。それだけでとても嬉しい。
お日様に誘われて庭に出てみます。
ひいやりとした朝の空気の中で見つけました!
裏庭の陽だまりに早春を呼ぶスノードロップの小さな芽。
そうねここが一番暖かいものね…。心の中で話しかけます。
どんなに寒く凍りつくような氷点下の日が続いても
ひと度、太陽が顔を出してくれさえすれば、土の中で眠っていた
草花達が目を覚ます。
メリハリのある四季の変化が植物の発育を促してくれるのです。
⚫︎コペンハーゲンの住まい情報。
日本でも都市部の住まい探しは苦労するという話を耳にしますが、
デンマーク、特にコペンハーゲンの住宅事情もなかなか厳しく、
条件に合った物件を探すのは至難の技です。
インターネットの不動産情報サイトを開くと一見素晴らしい住まいの
オンパレードのように見えますが、実際には良い物件ほどページに
掲載される前に交渉成立してしまう…ということは…?そうです。
サイト上のものは何かしらネックになるポイントがある場合が
多いということです。
住まい探しには常に親しい人同士で情報交換することが重要かつ
最も有効な方法の一つなのです。
コペンハーゲン市内の集合住宅の場合だと70〜90㎡前後が最も多く、
分譲、賃貸、の他にコーポラティブ住宅というのが有ります。
とてもデンマーク的なシステムだと私は感心しているのですが、
いわゆる住民参加型共同集合住宅と考えたら良いと思います。
一般的な分譲とは異なり住民たちの自主的な意見が反映されます。
事務局との連携で上手に運営されている物件は管理が行き届き、
住民共有の広場を有意義に活用、子供が安心して遊べる遊具の設置や
共同のDIY作業室を設けるなど充実した環境が整っています。
逆に言えば住民たちの意識の違いで良し悪しが決まってしまう。
他人に関わりたく無いという人には不向きです。
自分のライフスタイルに合わせた住まい探しには、
やはり事前の情報収集が鍵となります。
ようやく理想の住まいに巡り会えたら、引っ越す前に
自分たちの住まいにするためのDIYがスタートです。
親しい友人家族が集い、楽しくおしゃべりしながら壁紙を剥がしたり、
床を新しいフローリングに変えたり、ペンキを塗ったり…。
そのための材料調達などで大忙しとなりますが、
お次は自分の番かも知れないのです。協力しながら手順を習得して
いざという時に備えておくことも忘れません。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
市街地の一般的な集合住宅例。外観は素っ気なくても
中庭には必ず住民共有の緑のスペースがあり、
様々な工夫をして活用。
入居が決まったら引っ越しをする前にDIYリフォーム。
大変だけど楽しい作業です。
44回目の記念日に…。今回は深いピンク色でした。
スノードロップが顔を出すと春間近です。
空にはヒコーキ雲、嗚呼、良い気分。