きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 696】 by 岡村恭子
VOL.695 デンマークの暮らし 2月・如月・日々雑記
tirsdag den. 13 februar 2024
毎日鬱陶しい雨雲が垂れ込めています。
昨年来の長雨でコペンハーゲン郊外の原っぱが湿地帯になり、
いつもは見られない水鳥たちが飛来しているとか、
それほど雨が多いと言うことです。
⚫︎樽を割って冬を追い出そう!
そんな毎日ですが学校は冬休み、そしてこの週末は
子供達の冬のイベントFastelavn=ファストゥラウンでした。
(ファストゥラウンについて詳しくはこちら↓)
https://stptrans.com/fastelavn-the-nordic-tradition-youve-probably-never-heard-of/
♪僕の名前はファストゥラウン♪
♪欲しいのはお砂糖たっぷりのボールパン♪
♪もしもくれなきゃ大暴れしちゃうよ♪
寒空の下、仮装した子供達の可愛い歌声が響きます。
北欧では古くから猫は魔女の化身だという言い伝えがあり、
一種の魔除けとして、実際に猫を樽に閉じ込めてみんなで叩き割り、
その年の魔女祓いとしたのだそうです。
そういえば、夏至祭には魔女の人形を焚き火で燃やしてしまうし、
北欧の魔女伝説を深掘りしたら、なかなか怖そうな気がしてきました。
話を戻して、時代は変わり今では猫はみんなのお友達です。
黒猫の絵が描かれた樽にお菓子をたくさん入れて、子供たちが順番に叩き、
温かいカカオとケーキで賑やかなひと時を楽しみます。
私には樽を割って冬を追い出すようにも見える冬休みのイベントです。
⚫︎身近な人に感謝する日。
そういえば、14日はバレンタインデーだとうことを
混雑するチョコレート売り場が映し出されたインターネットニュースを
見て気づきました。東京のデパートのの盛況ぶりとは打って変わって、
デンマークは静かなものです。
以前にも書きましたが、どうやらバレンタインデーに女性から男性に
チョコレートを贈ると言うのは日本だけのようです。
でも、それをきっかけに恋が芽生えることだってあるかも知れない。
そう思うと夢のあるイベントで大いに結構なことだと思います。
因みに、デンマークでは年齢性別関係なく身近な愛する人に感謝する日
ということで、彼から彼女へ花束を贈るというのが一般的です。
⚫︎郷愁を呼ぶ味覚
そぼふる雨模様の日曜日です。
昼下がりのお茶を淹れて、徐に干し柿を一つ手に取りました。
柔らかい果肉からジンワリと甘みが広がります。
先日遊びに来たお友達の自家製です。
熟した柿を一つずつ丁寧に皮を剥いて、
秋の陽の下に吊るしてゆっくりと余分の水分を抜き取った。
その後に残った果実の凝縮した滋味なんだなあ…。
何事も時間の経過分だけ美味しくなる。
大切なことを干し柿に教えてもらった日曜日となりました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
Fastelavnの日には町内のあちこちで
可愛らしく仮装した子供たちが樽を割って楽しく過ごします。
郷愁を呼ぶ味覚。
干し柿と朴葉焼き。