きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 697】 by 岡村恭子
VOL.697 デンマークの暮らし お雛様と気候変動対策のお話し
tirsdag den. 20 februar 2024
早春を告げる白い花スノウドロップに続いて黄色いエランティスの
花が蕾を膨らませています。
庭に春の兆しを感じる時ほど嬉しいことはありません。
寒いとか、雨ばかりとか、文句ばかりの私を横目に、
ほら大丈夫ですよ、春は来ますよ、と告げている。
気を取り直して春を迎える準備をしましょう。
そして出してあげましょう。お雛さま。
毎年娘の雛人形を飾ってきました。
その度に、当時赤ん坊だった娘と雛人形のどちらも落とさないよう
日本から我が家まで大事に抱えてきた時の事を、可笑しくも懐かしく
思い出します。詳しくはvol.609にて↓
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2381.html
実は今だけですが、もう一対お雛さまが手元にあります。
娘が頂いたものを彼女達が引っ越しする間だけ安全確保のため
一時的に預かっているのを勝手に箱から出してみました。
手の中にすっぽりと収まるくらい小さな陶製のお雛さま。
稚児のようにふっくらした頬と目を伏せている様子がなんとも愛らしい。
朱や藍など九谷焼ならではの色付けが施されています。
手の平に乗せてみたら…ほんわかとした優しい気持ちになりました。
というわけで、本日は特別に二組並べてひと足早いひな祭り気分です。
それにしても、
大雨でバイキング時代の遺跡の石積みが崩れてきたり、
堆積してあった廃棄物の土砂が崩れてしまったりと、
水による被害のニュースばかり。さすがに今までのんびりと構えていた
地方自治体も対策に乗り出している様子です。
主に堤防や護岸などを中心にした洪水対策ですが、
元々海抜0メートル的な場所も多く抜本的解決策までは程遠い様子です。
首都コペンハーゲンは2011年に旧市街地のほとんどが冠水してしまうという
洪水を経験した後、気候変動対策の専門部門を設置、今後100年を見越した
水に強い街づくりを推進実行し現在も継続中です。
新しいところでは、コペンハーゲンの西地区Vesterbroの公園を気候変動に
対応できる公園として整備完成し話題になっています。
20000㎥〜の地下貯水地を構築、貯めた雨水を循環させて使用する。
歩道には雨水を吸収する特殊タイル石を使用し、地下のパイプに連結、
貯水してリサイクルするなど、とにかくすべての雨水をリサイクルするのだ!と宣言。
一見突飛なアイデアも最新技術で現実に結びつけてしまう開発など夢があるし、
将来的には国際ビジネスに結びつけてゆこうとする辺り、
いかにもデンマークらしいなあ、と感心します。
年がら年中、道路を掘り起こして工事ばかりしているコペンハーゲンですが、
気候変動に対処すべく最新プロジェクトが進行しているのかも知れないと
思うと急に頼もしく感じられます。
気候変動公園の詳細はこちら↓
https://www.tredjenatur.dk/portfolio/enghaveparken-klimapark/
日本語での参考記事はこちら↓
https://adaptation-platform.nies.go.jp/db/measures/report_179.html
そうこうしているうちに、もやっていた空が晴れてきました。
窓の外の寒暖計は7℃、暖かそうです。
午後は今年最初の庭掃除しようかな?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
手の平に乗るほどの小さな九谷焼のお雛様。
今回の地震でもどうぞ無事でありますようにと願う。
我が家のお雛さま。
相変わらずのおすまし顔です。
今日の庭から。
スノードロップとエランティスが咲き始め、
殺風景だった庭が春めいてきました。
大根と冷凍の材料を見かけた時の贅沢「おでん」