きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 704】 by 岡村恭子
VOL.704 デンマークの暮らし 其々に歴史は刻まれる。
fridag den. 19 april 2024
穏やかな春の日が続いています。
庭の新緑が鮮やかです。
腰の痛みも和らいで心身ともに元気が出てきました。
冬の間運動不足だった所に急激に体を動かしたことが
良くなかったと反省。毎日ストレッチに励んでいます。
4月16日は今年一月に退位されたばかりのマーガレテ前女王の
84歳の誕生日でした。女王様の誕生日はいつも快晴という
言い伝え通り明るい青空の下、国会議事堂に掲げられた国旗が
はためく…そんなお祝いの朝、何と国会議事堂に隣接する旧証券取引所から
出火という驚きのニュースが飛び込んで来ました。
旧証券取引所は1600年代にデンマークの黄金時代を築いた
クリスチャン4世の時代に建てられた歴史的建造物です。
観光名所にもなっているのでコペンハーゲンを訪れたことのある方は
ご存知の方も多いと思います。
赤煉瓦に青銅色の屋根。中世の面影を今に伝える歴史的建造物が
炎に包まれる姿は痛々しく又悲しく、57メートル程も有る尖塔が
崩れ落ちてゆく様子に人々の嘆く声が重なります。
今の所、出火原因は特定されていませんが、築400年を機に改築工事中だった
こともあり、その辺のことが要因になっているかも知れません。
いずれにしても、燃えてしまったものは戻らない。
幸い全焼は免れて絵画などの重要かつ貴重品のほとんどはレスキューできたとのこと、
気持ちを整理して前に進むしか無い。
パリのノートルダム寺院、沖縄の首里城、少し遡って京都の金閣寺も、
他にも世界中で数多の歴史上の建造物は長い歴史の中で焼失、再興の歴史を
辿ってきているのです。今回も最新テクノロジーを駆使して
立派に蘇ってくれる事を期待したいと思います。
そんなことがあっての1週間でしたが、我が家では家人の誕生日という
ささやかなイベントがありました。
相棒エリックとはたった9日違いの同い年です。
二人ともめでたく75歳になりました。
他人事で思うと後期高齢者ですが、当人たちはいたって呑気で
まだまだ現役と威張って?います。何はともあれ健康で過ごせることが
第一目標になってきました。
ウィスキーのボトル片手にご機嫌でやってきたエリックと
庭で寛ぐ様子に、改めて人生の不思議な巡り合わせを思います。
人生の大半を北欧のデンマークという小さな国で過ごし、
エリックとデザインオフィスを共同運営してきて
半世紀以上の年月が流れました。
もし、デンマークに来ていなかったら…どうしていたかなあ?
夫婦でたまにそんなことを想像して話します。
ひょっとしてもっと多くの可能性があったかもしれない。でも、
それ以上にこの国で得られた経験は宝物に思えてくるのでした。
多分、私たちにとってはこの国が、コペンハーゲンが、そして
この家が生涯の居場所となることでしょう。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
周辺にはクリスチャンスボー城やナショナル銀行などがある。
デンマークの中枢的な一角。
煙の向こうにマーガレテ前女王の誕生日を祝う国旗が。。。
貴重品を運び出す様子。
以上、dr.dk より
庭は刻一刻と華やいで、春爛漫です。
健康な一年でありますように🎉