きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 713 】 by 岡村恭子
VOL.713 一年にたった1日だけの特別な日2つ : 夏至&私の誕生日。
søndag den. 23 juni 2024
とうとう一年で一番明るい日、夏至を迎えてしまいました。
海岸や水辺などでは大きな焚き火を囲み、人々が輪になって
ひと時を過ごします。焚き火の炎が人々の横顔を照らします。
明るい季節に感謝しつつも、また少しずつ暗い季節に向かってゆくのだ、という
北欧の人々の諦観とも言える気持ちが伝わってくるようです。
長い冬を我慢した後に、ようやく遅い春がやってきて陽射しが明るくなり
始めた頃から夏至までの毎日は誰もが右肩上がりのハイテンションです。
D-vitamin摂取して心身ともに元気が出ます。
実にお日様は偉大なり。
私自身、こんなに夏至を意識するようになったのはデンマークに
暮らし始めてからのこと、地球が地軸を少し傾けながら太陽の周りを
回っている惑星なんだということをすごく実感するようになりました。
心配していたお天気も回復して青空の広がるPM10:00。
庭に出ると垣根越しに裏通りでボール遊びに興じる子供達の声、
どこかの庭に集っているのでしょう、楽しげな音楽とざわめきが伝わってきます。
海岸では焚き火を始めている頃かな?…と、想像しながら、
私は静かな庭で過ごしています。
鉢植えのオリーブの木を揺さぶって枯葉を落としてみたり、
咲き始めた紫陽花に水をあげたりしています。
見上げた空にサーモンピンクに染まった雲がきれいです。
遠くで花火を上げている音がします。
散歩をする人の笑い声が聞こえてきます。
きっと、海岸まで焚き火を見にゆくのでしょう。
暮れそうで暮れない夏の夜。今年の夏至の夜空を写真に収めました。
先週の火曜日。
もう、お祝いするような歳でもないし…。と言う私の目の前に
大きな花束を差し出したのは、他ならぬ家人でした。
おめでとう。と一言。まあ、そういう事ならケーキ焼こうかな?
急に誕生日モードに突入したのでした。
日本の人々は誕生日をどう過ごすのか?と聞かれて答えに窮したことがあります。
成長過程の子供の頃は家族が祝うけれど、そのほかは還暦などの特別な歳の
お祝い以外は個人差が有って人ぞれぞれ、と簡単に伝えておきました。
先方はもう少し楽しい内容を期待していたに違いありません。
なぜなら、デンマークでは誕生日には当人が率先して工夫を凝らし
毎回イベントのように盛り上がるからです。
某日のこと、義息子が友達の誕生日にオリジナルソングを作成して
プレゼントしたというので驚き感心したら、AIとの合作!と笑って
教えてくれました。
なんでも、PCに詩を書き込み、曲の傾向をプログラムするだけで良いのだとか、
かなり完成度が高いのだそうです。もう作曲家なんていらないね!と笑いながら、
“ AIがお友達 “ という時代もすぐそこまできているのかも知れない、と
自分の年齢を重ねてみて、何故だか気が遠くなるような、漠とした
気持ちになってしまいました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
家人から色とりどりの大きなブーケ。
エリックからはピンクの薔薇。
どちらも嬉しいプレゼント。
スポンジを2台焼いて。
それぞれ上手に飾り付けができました!
夏至祭の焚き火の情景(dr.dkより)
PM 10:00 空には美しいオレンジ色の雲。