きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 718】 by 岡村恭子
VOL.718 デンマークの暮らし
コペンハーゲン市の公園計画と身近な緑による暑さ対策考
sondag den. 4 august 2024
明るかった白夜の季節もあと数日でお終い。
(カレンダー上では白夜終了日は8月8日となっています。)
途端に夜の闇を感じるようになってしまうから不思議です。
数ヶ月前、自宅からすぐの所にある広場に囲いがされて
「もう少し楽しい場所に!」というキャッチーなパネルが貼られました。
土を掘り起こしたり、盛り上げたり、ベンチや遊具が運び込まれ、
やがて囲いが外されて、植えこみ作業が始まりました。どんな植栽になるのかな?
完成したら風船飛ばしてセレモニーするのかな?と楽しみにしていましたが、
予測に反して、ある日の午後、何事もなかったかのように子供達が遊び始め、
それからは、育休中のママパパが乳母車で来て、おしゃべりしていたり、
お年寄りが一休みしたり。すっかり付近の住民の憩いの場になっている様子です。
それにしても少し手を加えるだけでこんなに変わるんだ!と少々感動。
ビフォーアフターの写真を撮っておけば良かった、皆様にその変化を
お見せしたかったと残念ですが、
バス停横の「つまらない広場」が「楽しい公園」に大変身です。
花壇もたくさん作られて、今は夏の草花が風に揺れています。
きっと四季を通じて花が咲くよう工夫されているのでしょう。
自然素材を生かした様々な遊具、木製のベンチとテーブル、お弁当を広げれば
ピクニック気分が味わえそうです。
実はこれはほんの一例に過ぎません。
コペンハーゲンは公園づくりが盛んで、我が家の周辺だけでも工夫を凝らした
公園がいくつもあります。それぞれ特徴があって子供たちには
選ぶ楽しさもあるようです。
そう言えば、観光名所のTIVOLIも名称は遊園地ではなく公園です。
詳しくはコチラから↓
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2514.html
大きな木々がゆったりと木陰を作り、芝生の敷かれた屋外ステージ前には
デッキチェアが並び人々が自由に休息できる。四季を通じて花が咲き乱れ、
大きなケージの中では鶏や孔雀がゆったりと過ごしています。
毎年進化し続けながらも創設当時の精神(=いかなる階級の人々にも
分け隔てなく楽しめる公園)を失うことなく180年以上、
今も尚コペンハーゲンの重要な観光収入源となっているばかりか、
緑豊かな憩いの場として市民に愛されている。
全ての人の憩いの場として設計された公園のお手本と言えそうです。
夏の日盛りにショッピングから戻り、庭先に出ると涼しい空気に
汗が引きます。繁華街に比べて気温が低いのを実感します。
草花を育てることは大きな目で見たら地球を救うかもしれない、
などと言うのはオーバーですね。
でも、自宅の庭やベランダに木陰のできるツタヤ糸瓜を育てたり、
自分だけの小さなオアシスを作ってみるのも
暑さ対策になるような気がしていますが、いかがでしょうか?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
TIVOLIの風景より
野外ステージ前の芝生とデッキチェア、
ボートが浮かぶ池周辺はもちろんのこと
至る所緑に溢れ花が咲き乱れて、
まさに都会のオアシスです。
公園の遊び場は付近の住民の憩いの場に。
今、「屋根に緑」が人気です。
写真はリニューアルされた公園の駐輪場と
ご近所の個人宅の駐車場。
どちらも苔系の植物で覆われています。
鳩が来て啄んでさらにエコロジー?!