きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 723】 by 岡村恭子
VOL.723 Sayaka Ganz :リサイクルアートの世界
tirsdag den. 10 september 2024
この一週間、真夏日が続いています。
デンマークでは26℃以上になったら真夏日なので
日本の真夏日に比べようもありませんが、
普段気温が低いせいもあってものすごく暑く感じます。
このお天気も今週末でお終い、その後は雨の多い
いつもの秋の空に戻ってしまうらしい。
今のうちにせっせと寝具や衣類の虫干ししよう。
庭もカラカラに干上がっていますが、家人も以前のように
一日中ホースで水を撒かなくなりました。
一雨降れば葉っぱも元気が戻るさ、という気持ちに切り替えたようです。
どうやら気候変動は彼の日常生活にも見直しの機会をくれたようです。
⚫︎アーティスト Sayaka Ganzの事
先日、アメリカに住む姪のさやかちゃんからメールが届きました。
アートセッションに参加するためドイツに来ているので会えるといいな、
というものでした。残念ながら今回は会えなかったけれど、
久しぶりに彼女のページに入ってSayaka Ganzのアート鑑賞を楽しみました。
https://sayakaganz.com
彼女の作品に使われているマテリアルは全てリサイクルです。
散歩の途中で針金を見つけて「使える!」とポケットに入れて喜んでいる。
他の人にはゴミにしか見えないモノが創作意欲を掻き立てるモチーフに
なり得るのでしょう。
彼女の作品に触れる機会を持った人は、今まで何気なく使い捨てていた
モノや自分たちを取り巻く環境について考え直すきっかけになったりもするらしい。
作品作りの材料にリサイクルのマテリアルを使用していることで、
環境問題を問う作品としても注目を浴びるようにもなってきたようです。
もちろんそういう意味合いもあるかもしれませんが、
本来の魅力は純粋な創作意欲から生まれてくる生命感溢れる作品自体に
あると思います。
水を切る音が聞こえてきそうな勢いで水中にダイブするペンギンたち。
ヨチヨチ歩いてなんていません。スピード感ある精鋭なるペンギンなのです。
そして立て髪を靡かせて走り出そうとしている白馬の流れるようなライン。
良く目を凝らすとその美しい立て髪にフォークやハガシが見え隠れしています。
他にも今にも空に舞い上がろうとする火の鳥や悠々と大海原を泳ぐ鯨など、
雄大なスケール感と躍動感のある作品の数々。かと思うと可愛いウミガメや
壁を這うヤモリなど、いかにも動物好きの彼女らしい世界観が広がります。
いつだったか、たまたま同じ時期に帰国していた彼女と会う機会がありました。
別れ際、家人がポツンと一言「さやかちゃんには敵わない。」
何がどう敵わないのか?
多分、純粋な心に敵わないのだろうな、と思ったのでした。
…と、ここからは雨模様の週明けです。
乾き切っていた庭には恵みの雨です。
水を撒かずにいて正解でした。
晴れているうちにお布団も干せてよかったー!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
カリッと乾燥して暑い9月の週末。
虫干し中のベランダの上空に飛行機雲。
蜘蛛が大忙しの季節。庭は蜘蛛の巣に御用心!
作品のディティールにぴったりの材料が見つかった
時はすごく嬉しい!とのこと。
クジラのように大きな作品は完成まで数ヶ月もかかるそう。
https://sayakaganz.com