きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 725】 by 岡村恭子
VOL.725 デンマークの暮らし 伸び放題のツタ&遠ざかる太陽
tiasdaag den. 24 september 2024
暖かい日が続き、一度入れた暖房のスイッチを切りました。
運動会日和、遠足日和、という言葉が浮かんでくるような
秋晴れの日が続いていますが、明日からはいつもの変わりやすい
お天気なるという予報です。
今のうちに外回り庭仕事などできることからしておこう!
先週は煉瓦塀や植え込み、はたまた木の幹に這うように侵食する
ツタの除去作業に精出しました。除去というとまるで害虫のようだけれど、
実際ツタの繁殖力はすごくてちょっと怖いくらいです。
大きな松の幹に巻きついて上へ上へと伸びようとしていのを無理やり
剥がそうとするとメリメリと音を立てて皮ごと剥がれる、
そんな時、ツタも必死で生きているのにと一瞬罪悪感に囚われそうに
なるけれど、いやいや敵は強か、すぐまた土の中から伸びてくるのです。
そのほかにもライラックをはじめとする灌木の枝払い、
芝生の間から顔を出すキノコ駆除など、秋の庭仕事はエンドレスです。
ついでに…お天気の良い今のうちが仕舞い時と、
夏の間食卓として活躍してくれた大きなテーブルと、
眩しい日差しの下、素敵な日陰を作ってくれたパラソルを片付けました。
一度に全部片付けてしまうのは寂しすぎるので
庭先のテーブルと小さなパラソルは今しばらくそのままにしておこうと
思います。
その庭先の椅子に座り夕陽を眺めながら
ああ、あんなに低くなってしまった…。
隣家の屋根の向こう、庭木の上を横ばいに大きな松の枝越しに消えてゆく…。
夏の間、頭上高く真上から輝いていた太陽が日を追うごとに
低く遠くに去って行くのを実感します。
白夜の頃の明るい夜空が漆黒の闇に変わって行くのです。
つい先日まで眩しすぎると文句を言い日焼け対策に余念のなかった
私でさえ、日毎に遠ざかる太陽を引き止めたい気分になる。
ことほど左様に季節の変化を明暗で感じるようになったのは
北欧に暮らし初めてからの事です。
それも気づけばずいぶん長くなりました。
私の人生はデンマークに来る前と暮らし始めてからが半々と思っていたけれど、
気付けば半分どころか3分の2がデンマーク暮らしになってしまいました。
家具デザインを生業にしている家人が憧れていた建築家アルネヤコブセンの
設計した家に巡り合ったのも何かの縁かもしれません。
手がかかるなどと文句ばかり言わないで、少々の不自由を楽しみつつ
暮らし続けてゆきたいと思っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
秋晴れのTorvhallenと街角のお花屋さん。
町内の公園も秋色に染まってきました。
今日の庭から
可愛らしい黄色の小花。
バラを切って水に生けよう。
庭も秋の色合いになってきました。