きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 731】 by 岡村恭子
VOL.731 デンマークの暮らし 11月の日々雑記
大根を切りながら思う。豊かな食文化の国・日本
tiasdag den. 7 november 2024
重たい雲が低く空を覆って終日灯りをともして過ごす。
この間まで子供達の声が響いていた公園もひっそりとして
乗り手のいないブランコが寂しげです。
Xmasにはまだ遠い11月の北欧は辛抱我慢の頃なのです。
家の前を毎日のように犬を連れて散歩で通るご近所さんがいます。
今朝も玄関先の落ち葉掃きをしていたら通りかかりました。
「Hej!」ハイ!と挨拶を交わします。
毎日同じコースで飽きないかなあと思うけれど、そういう私も
飽きもせず変わり映えのしない家事のルーティーンをこなしています。
午前中に掃除を済ませると買い物です。町内に3軒あるスーパーの
どこで何を買うのかもほぼ決まっているワンパターンですが、
ダウンタウンのマーケット https://torvehallernekbh.dk に
立ち寄った時だけはいつもより少しテンションが上がります。
真っ白くてぷっくりした大根、赤い根元付きほうれん草、
それに山積みの新鮮な白菜など、日本ではごく普段使いの野菜も
デンマークでは目新しい新参者、最近の和食ブームでようやく
普及してきましたが、他のヨーロッパの大都市に比べたらまだまだです。
秋のキノコ類、春なら筍…などは当面は無理でしょう。
でも…マーケットで大根を見かけただけでこんなに嬉しくなれるのも
デンマーク暮らしならでは。何事も考えようですね。
それにつけても感心するのは、日本の食材の豊かさです。
海の幸山の幸、それらを生かした多彩な料理の数々。
日本のデパ地下の食料品売り場を思い出す度にため息が出てしまう。
生鮮食料品から加工品までディスプレイも見事です。
整然と並んだお惣菜の壮観な眺めはどうでしょう。
前回帰った時には地下のコンコースを挟んで続く食料品売り場で
迷ってしまい、行ったり来たりしているうちに疲れてしまったほどです。
くたびれると言えば、
エリックの孫娘クラーラが無事に日本旅行から戻りました。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/2631.html
付き添いの父方の祖父母は東京の人混みで草臥れてしまったらしいけれど、
本人はGoogle片手に迷子にもならず人混みにもめげず、
大いに楽しんだそうです。
彼女の大好きなお寿司もコンビニのおにぎりや菓子パンも、
全てが「最高!」だったに違いありません。
とにかく、日本の食文化は世界一だと改めて思います。
地方ごとにその土地の特産物があり、ご当地グルメ自慢に花が咲く。
世界中見回しても他に類を見ない豊かな食文化だと思います。
さて現実に戻り、夕食の準備をしましょう。
何しろ、ほらね、本日は大根がありますからね!
それだけで幸せな食卓になるはずです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
Torvehallenにて
デンマーク名物スモーガスボード。
因みに平均価格70kr.〜120kr. (約1500円〜3000円)
賑わう店先。海の幸は健康志向の高い人ほど人気が高い。
最近スーパーにお目見合えしたパイナップルのスライサー。
丸ごと入れるとご覧の通り。お見事!
人影の無い公園。
子供達の歓声が響いていた明るい季節が恋しい。
ノルウェー産サーモンを塩して二晩。塩ジャケ完成。
カツレツ用豚肉を一度冷凍して、半解凍のタイミングで
薄くスライス、ニンニク生姜味噌醤油味醂につけ置き。
塩ジャケ、無い!生姜焼き用肉売ってない!
こんな簡単な献立でさえ、下ごしらえに時間がかかります。
大根は大根おろしと甘酢漬け。
ようやく簡素だけど美味しい夕食の献立完成です。