きょうのクロスステッチ
【きょうのクロスステッチ Vol. 741】 by 岡村恭子
VOL.741 北欧の暮らし 氷点下のサバイバルでウクライナ情勢を思う。
onsdag den. 26 februar 2025
日増しに明るくなってきました。
外出から戻ると家の中が温室のように暖かい。
地域暖房によるセントラルヒーティングですから、
水道の蛇口を捻れば水が出るように、一度暖房のスイッチを入れれば
いつでも快適室温が保たれています。80℃の熱湯が市街地に張り巡らされた
地下配給管から各家庭に引き込まれています。使用済みのお湯は
再びエネルギーステーションに戻る循環システムです。
ところがつい先日のことでした。
寒い冬も家の中はポッカポカ〜と呑気にしていた私に凍える一撃!
サバイバルな一昼夜を過ごす羽目になったのです。
連日氷点下の日が続いていたある朝、
家人が首を傾げて、どうも暖房のパネルがぬるくなっているというのです。
触ってみると本当にすごくぬるい。こんな状態ではやがて室内が冷え込んでしまう。
どうしてかなあ?…とり急ぎ地下の地域暖房装置を点検しましたが、
私たちにできることは温度調節のノズルを左右に動かしてみるくらいです。
そうこうしている間にも暖房パネルがどんどん冷えてゆく。
繰り返すけれど、その日外の気温は氷点下10℃!
急ぎ、職人さんに窮状を訴えましたが最速で翌日の朝という非情な返事です。
こうして24時間のサバイバルが始まりました。
ダウンを着込み、暖炉を焚き、少しでも温めるべくキャンドルを灯し、
凍えそうなキッチンでピザを焼き、(オーブンを使っている間はキッチンがあったかい!)
焼き上がりを暖炉の脇で保温し、ワインで温まり、フィンランドの麦クッション
(50cmx15cm。750℃電子レンジ5分温め)で体を保温、その内に寒いのにも慣れて
キャンプのようだ、と楽しくなってきましたが、とにかく暖炉の火が落ちる前に
ベッドに潜り込み、その日は終了。
翌朝、職人さんが素早く作業に取り掛かる姿の何と頼もしいこと。
しばらくすると、おやっ?!キッチンが暖かく感じられます。
家人がパネルに手を当てがい「あったかい!」と喜びの声を上げました。
原因は外からの引き込み管が長年の間に堆積した不純物で詰まっていたのだそうです。
説明を聞きながら職人さんが名医に見えた瞬間でした。
こうして無事平穏な毎日が戻りましたが、
ヨーロッパに目を移すといつになく緊張感が漂っています。
2月24日でロシアのウクライナ侵攻から丸3年が経ちました。
改めて一日も早くウクライナに平和な日々が戻ってくるよう願うばかりですが、
そんな中、世界で最も影響力のある国USAの大統領による
数々の驚くべき発言の内容に私はのけぞってしまった。
西側諸国に背を向けてロシアと同盟国になったというのでしょうか?
戦争は理不尽なことばかり、どんなカタチであれ平和が戻って来ることが一番です。
アメリカが必ずしもNATOのパートナーであるとは言えなくなってきた今、
ヨーロッパ諸国は今まで以上にロシアに対する警戒心を強めています。
デンマーク政府も例外ではありません。
戦争をしないためにも自国の防衛力強化が必須ということを
丸腰で大国ロシアに立ち向かう弱小国ウクライナをバックアップしてきた
NATO 、EU諸国は痛感しているのです。
一日ぐらい暖房なしで文句を言ってはならないと我が身を戒めつつ、
毎日を安心して暮らせることの有り難さを思う今日この頃です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
市庁舎前広場に旗めくウクライナ国旗。
筆者の部屋。暖房のパネルのある窓辺。
麦クッション。
首に巻いたり、膝に乗せたり、ベッドの足元に忍ばせたり。
レンジで温めるというのが面白い。
窓辺のホヤとマネーツリーの剪定。
ホヤは剪定した部分を適当にカットして水栽培、
マネーツリーは植木鉢に植えれば簡単に根がつきます。