2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 66】 by 岡村恭子
VOL.66 庭の秋を楽しむ
torsdag den. 7 oktober 2010
早いものでもう10月、北欧の秋は日ごとに深まって来ています。
日没が早くなり、夜が長くなった分、朝が遅くなって少しずつ私の
寝起きも悪くなって来ています。これから徐々に「冬」という名の長い
トンネンルに向かって行くまでのしばらくの間、秋の日差しの中で
身近な楽しみを見つけて過ごしたいと思います。
我が家の庭にもいつの間にか落ち葉が目立つようになりました。
桜の葉が黄色く色づき始め、 紫陽花はすっかりドライフラワー化して、
花びらが風にカサコソと乾いた音を立てています。
そうだ、今のうちにローリエの葉を摘み取っておかなければ…。
摘んだ葉を日当りの良い所で乾燥させるだけで、いつでもお料理に使えて
とても重宝しています。
リンゴも赤く色づき食べごろを迎えています。
先日、遊びに来た友人が庭を歩いていてキャッ!と声を上げました。
落ちているリンゴを踏みつぶしてしまった、と申し訳なさそうに。
でも、知らずにリンゴを踏んでしまうなんて、こんな贅沢な庭はない、と
笑っていました。確かに、すっかり慣れっこになっているけれど、
あらためて思えば、サクランボ、プラム、リンゴと、都会に住みながら
何とも豊かな環境です。庭でフルーツが拾えるのですから、
買う必要など無いとはいうものの、やはり季節ものです。「 産地直送!」の
キャッチコピーに弱い私は買いました。2キロ入りのリンゴ。
帰宅早々キッチンでお味見です。ウチのとどちらが美味しいかしら?
どれどれ…シャキッ!齧ってみたらこれが実に美味しい。
リンゴ農家の努力と工夫の跡が感じられます。
やっぱり手入れしなければダメという事でしょうか?
実は今年は天候不順だったせいか、我が家のリンゴは小粒でおまけに
虫食いばかり。どうやら今年は店先のリンゴに軍配が上がったようです。
暇な時を見計らって暖炉用の薪作りをするのも今頃のこと。
一年を通して庭木の廃材=薪に相応しい材料が沢山たまってしまいます。
普段は人の目につかない所に山積みになっているのを引っ張りだして、
乾燥したものから順番に切って行くのです。
例えば、洗濯物は干すことよりも畳む作業の方が面倒だったり、
食器は洗うよりも実は拭いて仕舞うのが大変だったりするのと同じように、
庭木の剪定は楽しいけれど、薪作りはなかなか大変です。
おまけに地味な作業なので家人も気乗りしないらしく、梯子に上って
プラムの枝を剪定したときの勢いはすっかり失せて一日延ばしです。
でも、暖炉を焚いた時のぬくもりは何にも代え難い冬の贅沢、
本格的な寒さがやってくる前に頑張らなくっちゃ!と思っている所です。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
秋の紫陽花。褪せた色合いも趣があります。
小粒ながら赤く色づいたリンゴ。
我が家のローリエの葉。シチューなどに大活躍です。
真っ白い可愛らしい木の実、スノーボール。