2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 67】 by 岡村恭子
VOL.67 自転車というエコツール
torsdag den. 14 oktober 2010
デンマークは自転車大国、
首都コペンハーゲンのメインストリートには必ずと言って良いほど
自転車専用道が完備しています。
電車やメトロにも自転車ごと乗り込めるシステムになっているので
とても便利です。コペンハーゲン市民の過半数が自転車通勤&通学を
しているという統計が出ているそうですが、これだけしっかりと
環境が整備されていたら当然、と言う感じです。
それだけに朝夕のラッシュアワーはまさに自転車の洪水!
みんなものすごいスピードです。そんな時に一人安全運転でゆっくり
走ろうなどという考えは禁物、前後の流れに合わせて全速力でペダルを
漕ぎます。風を切りながらロードレーサーになった気分です。
現在、コペンハーゲン市では交通量の多い自転車専用道路を2車線にする、
という案を検討中らしいのですが、こうなるともう、ほとんど車扱いです。
もちろん、街角の至る所に駐輪場があります。あまりにも何気なく&沢山
有り過ぎて目に入らないほどで、例えば国立美術館や国会議事堂などの
公共施設にも必ず設置されていますし、ダウンタウンの目抜き通りをよく
観察してみると、歩道脇や車道と自転車道の間のパーキングスペースに
ずらりと駐輪してあるのに気づきます。
ちなみに車のパーキングは有料ですが、駐輪は当然ながら無料です。
こうして書いてみると、この国では自転車が移動ツールとして
人々の生活の中にとけ込んでいると痛感します。むしろ、国あげて
自転車を奨励していると言った方が正しいかもしれません。
それで多分笑いが止まらないのは?…そうです。
デンマークの自転車屋さんは不況知らずの商売繁盛。
おしゃれなオーダーメードの専門店もあり、自転車の種類は実に多種多様、
付属品も充実しています。例えばヘルメット。乳児用から大人用まで
バリエーション豊富です。そして、これからの季節に欠かせないのがライトです。
街灯が灯ったら自転車のライトも点灯する、という規則になっているので、
特に暗い冬の間はサイクリスト必携アイテムです。
点灯せずに走行してお巡りさんに見つかると罰金です。
昨年12月、コペンハーゲンで環境サミット=COP15が開催されました。
市庁舎前広場のツリーの周囲を自転車が囲み、*ペダルを踏んで
イルミネーションを点灯するというイベントで盛り上がったのを思い出します。
あれからもうすぐ一年、イベントは忘れられてしまったかもしれないけれど、
デンマークの人々は今日もペダルを漕いでいます。
それだけでもCO2削減の貢献度はかなり高い、と断言出来ます。
*KuNeruAsobu 2009年12月22日 : 「Hopenhagen」参照
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
自転車専用道路のマーク。
これは三輪車タイプ。キャリーには子供を乗せたり荷物を載せたり…
ヘルメット着用のこの女性。アーミーカラーでなんだかいかめしいですね。
ご覧の通り、街はどこも自転車だらけです。