2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 68】 by 岡村恭子
VOL.68 残り物は美味しい
torsdag den. 20 oktober 2010
ステッチハウスのページにクリスマスモチーフが登場し、
近所のスーパーマーケットにもクリスマス用品が並び始めました。
もう、そんな季節?!…と焦ります。
ところで、そのスーパーマーケット。日本とデンマークでは
品揃えの内容が違っていて面白いのですが、
中でも生鮮食料品は際立っています。ズバリ「魚」vs「 肉」!
水族館のように多種多様な海産物が並ぶ日本とは大違いで、
デンマークのスーパーに魚売り場といえるようなコーナーは皆無です。
最近の寿司ブームでようやく小さな場所を確保したものの日本とは
比べようもありません。その代わりに精肉売り場は見応えが有ります。
特にこれからの季節は煮込み料理やオーブンで焼き上げるお肉がドーン!と、
大きな固まりで重なり合うように並びます。
日本ではあまり見かけないものではポークテール…聞いたところは
可愛らしいですが、要するに豚のシッポです。
デンマークに暮らし始めたばかりの頃、シッポが何本も入ったパックに
ビックリしたものです。
ポークテールは豆と一緒にゼラチン状になるまでじっくり煮込むと美味しい。
いかにもバイキングの国らしい冬の献立ですね。
ローストポークやローストビーフをはじめ、様々な骨付きブロックetc.
いずれも固まりのまま時間をかけてお料理します。
週末など家族が集まる日に一度に沢山作るので、大抵は食べきれずに
残ってしまいますが、デンマークの人は数日かけて最後までしっかり
お腹におさめます。
まず、ごちそうを作った翌日は冷めたお肉を薄くスライスし、黒パンに乗せ、
赤キャベツやカリカリの皮などをトッピングします。
代表的デンマーク料理のひとつ、デニッシュオープンサンド=
スモーガスボードの出来上がりです。
更に残った時の料理方法の代表がBiksemad(ビクスマッド)です。
茹でジャガ芋、フリカデーラにベーコン、ソーセージ…。
いつのまにやら冷蔵庫の中は残り物でいっぱい!という時に登場する
“冷蔵庫内残り物一掃クッキング”の決定版です。作り方は至って簡単。
残りものすべてをサイコロ状に切ってマーガリンで炒めるだけ。
塩こしょうで味付けし、目玉焼きを乗せ、ビーツ(赤カブ)の甘酢漬けを
添えて完成です。ウースタースースやケチャップをかけて頂きます。
家人は本番のごちそうよりも残り物のビクスマッドに目を細めてくれる。
これは喜ぶべき事か?少し悩みます。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
街のお肉屋さんにて。
皮付き肉は奥の方で撮影出来ませんでした。
皮付き豚ロースのロースト。パリパリの皮がごちそうです。
翌日はプレート上のものを全て黒パンに乗せてスモーガスドードに。
残り物で作ったビクスマッドはビールがピッタリ!
ランチに最適です。