2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 69】 by 岡村恭子
VOL.69 カルチャーナイト
torsdag den. 27 oktober 2010
紅葉の美しい10月、デンマークの学校は一週間秋休みになります。
子供達は勉強から解放されて、ハロウィンや森のハイキングなどで
盛り上がり、しばし秋の日差しの中で羽を伸ばします。
その秋休みに合わせて毎年「カルチャーナイト」というイベントが
開催されます。今年は15日の金曜日でした。
たった一日、それもPM6:00~12:00という短時間のイベントの為に
フリーパスが販売され、バスも特別ダイヤを組んで準備万端です。
はっきり言ってしまえば、そんなわずか数時間のために、
わざわざ大げさな…と考えそうなものですが、そこはデンマークです。
主催者側も参加する側も大いに楽しもうと手ぐすね引いて当日を待つ…。
そんな雰囲気が私にはとても微笑ましく映ります。
今年も真夜中まで100以上の開場でさまざまなアトラクションや
イベントが開催されました。動物園も真夜中までオープンし、
動物達の夜の生息を観察できます。また、国会議事堂や証券取引所など
の建物内の見学も可能です。博物館や美術館も真夜中まで
多くの人で賑わいます。デザイナーズショップは飲み物を用意して
パーティー気分。どの会場も夜更けと共に盛り上がってゆきます。
クレープ屋さんから甘い香りが流れてくる夜道を、おしゃべりしながら
歩いているだけで、秋祭りや文化祭に来ているようで
ウキウキしてくるから不思議です。
今回、私達が出向いたのは、デザイナーとテクニックスクールの生徒との
家具のコラボレーション作品の展示会場です。
昨年に続き*2度目の試みですが、なかなかの充実ぶりでした。
テクニックスクールには羨ましいくらいの設備が整い、
木工の他にも映像技術や彫金など多種の分野から専攻する事が
出来ます。デンマークでは就職活動の際にまず「 何が出来るか?」と
いうことが最も重要です。ですから経験は評価の対象になりますが、
学歴などはほとんど問題になりません。
非常に分かりやすく公平な考え方ですが、それだけ本人の資質が問われる
わけですからシビアとも言えます。 そんなことも手伝って、技術を
習得出来るテクニックスクールは人気があります。
中でも家具に代表される木工技術の分野は人気があるそうです。
グローバリゼーション化が進む中で、ともすると失われてしまいそうな
伝統的木工技術を継承して行く若者達がまだまだ沢山いると知り、
嬉しくなっての帰り道、ふと見上げた夜空に☆がとてもきれいでした。
*きょうのクロスステッチVOL.18
「コペンハーゲンデザインウィーク;小さなこころみ」
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
蔦も紅葉して…秋が深まってきました。
ハロウィンのカボチャがお花屋に並んでいます。
テクニックスクールの作業風景
展示風景。