2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 73】 by 岡村恭子
VOL.73 めがね越しのスマイル
torsdag den. 24 november 2010
ここ数日急激に寒くなってきました。天気予報では
これから先、日中でも氷点下以下の日が続くということです。
まだ11月だというのにこの寒さ、そしてこの暗さ。
北欧はとうとう長い冬のトンネルに入ってしまいました。
これから春がやってくるまで辛抱我慢の季節です。
一応、目覚ましはAM 7:00にセットしているのですが、
カーテンの向こうは夜のように暗いので、ベッドから抜け出るのに
ちょっとパワーが必要…いつまでもお布団に包まっていたい…
そんな気持ちを何とか朝モードに切り替えて「 おはよー!」
私の一日が始まります。
まずは私の通る道順に家中の照明をして行きます。
キッチンの窓辺にも小さなキャンドルを灯します。
そうしてブラインド越しに裏庭の梢に目を凝らすと…?!
おお、今朝も来ています。
枝に吊るした餌をついばみに今年も小鳥達がやって来たのです。
野生の動物達は何と健気なのでしょう。人間どもが室内で温々と
暖まっている時にも、激寒の自然を受け入れてサバイバルしています。
小鳥もノラ猫カナちゃんも冬の寒さに負けず頑張っています。
見習わなくては行けませんね。
小さな生き物達に元気をもらったところで、さあて、我が家も
クリスマスの準備を始めようと思います。
地下の物置の棚にクリスマスグッズの入った箱が並んでいます。
中にはツリー用のオーナメントや豆電球などの他に、娘が幼かった頃
一緒に作ったペーパーワークや、手芸好きのお友達が送ってくれた
キルティングのオーナメントなどが思い出と一緒に大切に保管してあります。
毎年クリスマスが近づく今頃になると、その中からいくつかを取り出して
飾ることにしています。手作りならではの素朴で暖かい風合いが北欧の
クリスマスにピッタリです。
ステッチハウスのクリスマスのページを拝見しながら、
その膨大とも言えるコレクションに、クリスマスに託した気持ちを
刺繍の世界で表現して来た愛すべき人々の歴史を感じたりもしています。
さて、本日の私は地下室でガサゴソ、ガサゴそ…すると、
箱の中から幼い頃に娘が作った刺繍のオーナメントが出てきました。
赤い帽子に赤いリボン、ちょっとお茶目な表情がかわいらしいサンタさん。
取り出してテーブルにそっと置いたら、小さな丸い額の中から、
めがね越しに笑ってくれたような気がしました。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
朝のキッチン。窓辺にキャンドルを灯します。
いずれも娘が幼い頃に一人で制作したもの。
日付は彼女が勝手に刺したのですが、
お陰で当時の様子が瞬く間に蘇ります。