2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 75】 by 岡村恭子
VOL.75 寒い夜に赤い葡萄酒
torsdag den. 9 december 2010
北欧はすっぽりと大寒波に包まれてしまいました。
氷点下の日が続き、さすがのデンマーク人もサムイ!を連発、
ニュースでは毎日のように車が滑ったり転んだりしている画面が
映し出されていました。ここ2〜3日ようやく一段落、少し気温が
上がって来たかな?とはいっても朝晩はもちろん氷点下です。
こう寒いと身体の中から暖まりたい!
だから、というわけでもないでしょうが、デンマークの人はワインが大好きです。
近所のスーパーマーケットでもかなり充実の品揃えで、メジャーなブランドの
バーゲン時はお目当てで買いにくる人も多く、手軽で気取りのない食卓のお伴、
という感じです。我が家も夕食のテーブルには必ず普段使いの赤ワインが登場、
特にカキン!と冷え込んだ夜には、スペインやイタリア辺りの暖かい太陽を
浴びて育った葡萄で作ったお酒が似合うような気がします。
あり合わせの野菜やお肉を煮込んだシチューなどと一緒にグラスを
傾ければ身も心も温まろうというものです。
ストロイエ通りと国会議事堂の間を流れる運河から一筋入った通り、
Magstrædeに娘の大学時代からの親友ヤコブ君が経営するイタリアン
レストランがあります。
アンデルセンの童話の世界に紛れ込んでしまったような古い町並み。
本当に路地の角を曲がったら、黒いフロックコート姿のアンデルセンに出会って
しまいそうな気がしてくる…そんな通りにお店を開いて2年。
早くもコペンハーゲンの人気レストランのランキング入りを果たし、
なかなかの盛況ぶりです。
その彼がレストランの並びにイタリアのワインとチーズ専門のデリカテッセンを
オープンしたと聞き、さっそくお祝いがてら*お店に行ってみました。
古い街並みの中でもとびきり古そうな赤煉瓦の建物。新しいお店はその半地下です。
ドアを押し開けると、狭い店内はワイン好きの人たちで満員御礼状態。
カウンターの向こうからヤコブ君が笑顔で迎えてくれました。
学生時代に日本を訪れ、和食文化の奥深さに感銘を受けて帰ってきたことは
現在のビジネスにも少なからず影響していると思います。
がんばれ!と心の中でエールを送りながら、さて、クリスマス用に
美味しそうなボトルを2本選んで包んでもらいました。
今年のクリスマスは彼のセンスを拝借して、イタリアンにアレンジするのも
良いかな?と思っています。
*ヤコブのレストラン
http://www.magstraede16.dk/
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
ヤコブ君のお店の外観と店内の様子。
街には小さな構えの専門店を良く見かけます。
フラリと立ち寄ってみるのも散策の楽しみの一つ。
中世の面影を残す旧市街地。
アンデルセンも散歩をしたことでしょう。