2010年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 77】 by 岡村恭子
VOL.77 2011年:明るい年明け
torsdag den. 13 januar 2011
新年明けましておめでとうございます。
今年は卯年、ピョン!と跳ねながら、みなさまに楽しんで頂けるような
文章を綴って行きたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年末は記録的な寒波に見舞われたデンマークですが、
元旦はお天気に恵まれ、初春に相応しい穏やかな日和となりました。
1月8日にはデンマークの王位継承プリンス夫妻に、男の子と女の子の
双子の赤ちゃんが誕生!という明るいニュースも加わり、
2011年、さい先の良いスタートです。
さて、お正月気分も抜けた所でさっそく私は自転車に初乗りです。
北風はかなり冷たいのに「 春近し」、という気分になってしまうのは
冬至から3週間が過ぎたから。これからは日照時間が少しずつ長くなって
行く…そう思っただけで元気なります。
太陽の位置が低い今頃は、お天気の良い日には部屋の奥の方にまで
日光が差し込んで、光と陰が室内に意外な表情を与えてくれます。
壁に設えた収納ケースの中のグラスに日光が反射して
キラリと光ったりするのも、そんな冬の晴れ間のひとときです。
ずいぶん前の事になりますが、小さなコーヒーカップとグラスばかりを
集めていた時がありました。「 小さい」という所に自分なりにこだわって、
そのような物をおいてあるお店を覗くのを楽しみにしていました。
決して高価なものでは無いけれど、一つ一つに今でも懐かしい思い出が
あります。例えば、そう、、オレンジ色に緑のダイヤカットした脚が印象的な
カクテルグラスはラウンドタワー近くの小さなお店でした。
窓際に飾られたグラスが気になって、お店の前を通る度に立ち止まっては
眺めていたある日、若い店主が声をかけてくれたのです。
中に入るとコーヒーを出してくれておしゃべり…といっても まだ
デンマーク語などままならない頃のことでしたから、一体何を話をしたのやら。
とにかく、お店を出た時には古新聞意包まれたオレンジ色のグラスを手に
していたのでした。小さな器たちを取り出してみると、普段は忘れてしまって
いる思い出が蘇り、当時の懐かしい匂いのようなものまで感じられるから
不思議です。
写真は気の向くままに収集したささやかなコレクションの一部ですが、
唯一、四角いジノリ(伊)のカップだけは私がデンマークに来る前に
お友達からもらったプレゼント。他のカップ達と仲良くガラスケースの中で
暮らしています。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
庭の片隅に作った雪ウサギ。
小さなカップとグラス。それぞれに小さな思い出があります。