2011年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 80】 by 岡村恭子
VOL.80 小さな国の赤いシンボル
torsdag den. 3 februar 2011
サッカーのアジア杯で日本が優勝を決めた丁度その頃、
デンマークは男子ハンドボールのワールドカップ優勝をかけて
強敵フランスとの決勝戦に挑んでいました。
このハンドボール、日本ではあまり馴染みがありませんが、
ヨーロッパではプロリーグもあるほど盛んです。室内でオールシーズン
楽しめる所が大きな魅力で、人気選手は日本の野球選手のような
もてはやされ方です。いずれもロボットのような体格をした強者揃い、
そんな連中が小さなボールを取り合いゴールを目指す。
かなりの迫力で好ゲームともなると手に汗握ります。前半後半30分ずつ
という短時間勝負というのも私には好ましく感じます。
今回、デンマークは44年ぶりの決勝進出とあって、ロイヤルファミリー
も開催地の南スウェーデン、マルメまで応援に駆つけるという
熱狂ぶりでした。結果は延長戦で惜負してしまいましたが、
お陰で私もトーナメント中ずっと楽しませてもらいました。
スポーツの国際試合というのは自国の選手達を応援するという、
一種高揚した気持ちが多くの人を惹きつけるのでしょう。
デンマークは人口500万人程の小さな国ということも手伝って、
そういう時には国をあげて大いに盛り上がります。
なにしろ、試合前の国歌斉唱の時から大張り切りです。
時には伴奏無しで応援席の観客によるアカペラ大合唱となります。
心から自分たちの国を愛してやまない心情を表現しているかのようで、
外野の私でさえ聞いているだけで感動します。
そして、こういう時に大活躍するのが赤に白十字の国旗です。
打ち振る旗が揺れる中で 応援する人達も紅白で彩られ、 なんとも目出たい
空気が辺りを包みます。
国際試合の応援に限らず、記念日、祝日にはかならず国旗が登場します。
路面バスのフロントの両サイドにちょこんと小旗が飾られていたら、
何かの記念日か、ロイヤルファミリーの誕生日か、さもなければ、
どこかの国の偉い方をお迎えしている最中だとわかります。
国旗をデザインしたグッズもスーパーマーケットに沢山並んでいます。
特に子供の誕生日には欠かせないアイテムで、通りがかりの家の
芝生に沢山の小さな国旗が差し込んであったりすると、
ああ、この家の子供誕生日だと分かる、お祝いのサインなのです。
我が家のメンバーの誕生日にはもちろん!
白地に赤い日の丸と赤に白十字の旗を仲良く飾ることにしています。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
国会議事堂の塔にたなびく国旗。
(昨年4月16日、女王陛下の誕生日撮影)
海辺の街Dragoerにて、青空に白い飛行機雲。赤と白の旗が鮮やか。
お誕生日を迎えた人のケーキにも旗を立てます。
この日はスウェーデンの旗でした。