2011年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 87】 by 岡村恭子
VOL.87 夜空を仰いで
torsdag den. 24 marts 2011
ここ数日小春日和の穏やかなお天気が続き、
庭は描きかけのキャンバスのように、日ごとに色が挿しこまれて行きます。
土色だった花壇に緑色や萌葱色のタッチが入り、さらに薄紫や黄色も
加わりました。クロッカスが咲き始めたのです。
レンギョウの枝先も僅かに黄色がかってきたようです。
そんな春の庭で、季節外れの面白いものがひとつ。
植木鉢の枯れ枝に付けたままのクリスマスイルミネーションです。
片付けよう…と思っていたのですが、日増しに明るくなる太陽のおかげで
ソーラー蓄電充分、夕暮れ時から毎晩元気いっぱいライトアップ!です。
お天気の良い日は実に4~5時間も点灯しています。
当然ながら太陽が照らないとダメで、肝心のクリスマス時期は
日照時間が短かすぎ、点いたと思ったら消えてしまう役立たずだったのを
思い出すとちょっぴり皮肉です。この調子で行くと夜中まで明るい夏は
どうなのか?実験を兼ねてこのまま庭のオビジェ代わりに置いておこうと
思います。そして、この季節はずれのツリーを眺めながら、
停電時にはこんな小さな灯りでも助かる事が有るかもしれない。そして、
ソーラーパネルの基地が出来れば良いのになあ、と思わずにいられません。
せめて緊急時の電力供給がソーラー蓄電で可能になれば、
どんなに安心なことでしょう。
庭掃除の最中、植え込みの陰からひょっこりノラ猫カナちゃんが
顔をのぞかせました。今年も厳しい冬をサバイバルして偉かったね!
これからしばらくは彼女にとっても過ごし易い良い季節です。
そう思って様子を見ると、心無しかホッとした表情をしているようです。
季節は巡り、ノラ猫も四肢を伸ばして空を仰いでいます。
節電を余儀なくされている地域の友人から、
夜空がきれいだ、というメールが届きました。
時々口に出して言いたくなる大好きな言葉。
『 好きなもの イチゴ、珈琲、花、美人、懐手して宇宙見物 』(寺田 寅彦)
こんな時だからこそ「 懐手して宇宙見物」も良いかも知れませんね。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
カーテンの横からひょっこり顔を出したノラ猫カナちゃん。
クロッカスやスノードロップが早春の庭に彩りを添えています。
お陽さまに向かって葉を広げるゼラニウム。
もう少し暖かくなったら花壇にお引っ越しです。