2011年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 93】 by 岡村恭子
VOL.93 庭のニューフェイス
torsdag den. 5 maj 2011
貴方は犬派?それとも猫派?…こんな話題になる度に、
どちらかというと犬派かな…と曖昧に答えてきました。
実家で犬を飼っていた時期も有るし、いつか柴犬を飼いたいと
思ったことはありましたが、猫を飼いたいと思った事は一度も
有りませんでした。
野良猫が庭を汚して、ほとほと困った時期もありました。
家人は芝生の間に鈴を取り付けたり、竹の棒を差し込んだりして
野良猫追い出し作戦に知恵を絞っていたものです。
そんなこともあって猫はどちらかというと嫌いでした。
それが…です。
ある日の事、庭仕事の最中に何やら背後に気配を感じて振り向いた
ところに一匹の茶色い寅縞の猫がいたのです。芝生にきちんと前足を
揃えて座り、私と目が合った拍子にコクリと首を傾げて挨拶した。
…というのは多分気のせいで、偶然そんなカタチになったのでしょうが、
とにかく、その姿が可愛らしく、思わず笑いながらたずねたものです。
「何処の子?」
その日以来、時折り庭にやって来るようになりました。
猫好きなんて一人もいなかったはずの我が家の連中が、この猫のことは
声を揃えて「可愛い!」と言ったのには正直私も驚きました。
それまでの猫嫌いが一変。カナちゃんと名付け、庭にフラリと
やってくるのを楽しみにするようになって足掛け4年になります。
不思議な事にそれ以来、庭を汚させれる事も無くなりました。
カナ猫は天性の野良なのでしょう。鳴き声をあげないし、
すり寄っても来ない。その辺の距離感が好ましくもあります。
そして、今年の春。
桜の蕾がほころび始めたある日のことでした。
今まで見た事のないグレーの猫が芝生の上で転がったり飛び跳ねているのを
家人が見つけました。すばしこい様子からまだ子猫のようです。
首にちゃんとプレートを下げていますから、どこかで大切に飼われているに
違い有りません。
試しにカナ猫の食べ残しのキャットフードをあげようとしましたが、
見向きもしませんでした。もっと美味しいご飯を食べているのでしょう。
ちょっと肥満気味の身体をゆさゆさと揺らして歩いているカナ猫とは大違い、
スラリとした姿で桜の木にもするすると登ってしまいます。
見た目も性格も違う2匹の猫の登場で、ただ今我が家の庭は生き生きとした
様子です。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
庭に来るニューフェイス。
座っても立ってもサマになっています。
桜の木に登るのが大好きです。
カナちゃん。首は太いし毛並みもワイルドだけど可愛いいです。